【地区大会】ここまでの各地区の勝ち上がり(11/8)
こんにちは。
1週間ぶりに以下の記事の続きです。
赤色…選抜確定
青色…選抜絶望
緑色…選考待ち(有利)
紫色…選考待ち(不利)
水色…21世紀枠の可能性あり
北海(優勝)
仙台育英(優勝)
健大高崎(優勝)
常総学院(準優勝)
東海大甲府(ベスト4)
専大松戸(ベスト4)
中京大中京(優勝)
県岐阜商(準優勝)
敦賀気比(優勝)
智辯学園(優勝)
大阪桐蔭(準優勝)
市和歌山(ベスト4)
京都国際(ベスト4)
広島新庄(優勝)
下関国際(準優勝)
明徳義塾(優勝)
聖カタリナ(準優勝)
大崎(優勝)
福岡大大濠(準優勝)
明豊(ベスト4)
宮崎商(ベスト4)
前回より九州ベスト4の4校が増えて21校が選抜確定ラインに。これまで優勝校はオール私立であったが、大崎が優勝した事で3年連続で公立校から地区優勝校が輩出された
柴田(準優勝)
花巻東(ベスト4)
東海大相模(ベスト8)
上田西(準優勝)
関根学園(ベスト4)
神戸国際大附(ベスト8)
龍谷大平安(ベスト8)
天理(ベスト8)
智辯和歌山(ベスト8)
鳥取城北(ベスト4)
小松(ベスト4)
柴田は21世紀枠の可能性が0%では無い為、水色の表記に。仮に選ばれた場合は花巻東に東北2枠目が移る事が確定的。関東は現時点の東京ベスト4が実力校揃いなので、東海大相模からすると東京決勝のカードがどうなるか気になるところ。北信越/中国・四国はほぼ波乱は無いか。
二松学舎大附(ベスト4)
日大三(ベスト4)
東海大菅生(ベスト8)
日大二(ベスト8)
八王子(ベスト8)
関東一(ベスト8)
3年連続東京1枠の揺り戻しが来るかどうかは決勝のスコア次第(おそらく去年のような一方的なスコアだと厳しい)。ちなみに日大三は決勝大差によりベスト4で選出された経験もある。東京2枠にこだわるなら同じ現象が起こってもおかしくは無い。
【その他の主な地区大会敗戦校】
旭川実(北海道/準優勝)
知内(北海道/ベスト4)
日大山形(東北/ベスト4)
八戸西(東北/ベスト8)
国学院栃木(関東/ベスト8)
木更津総合(関東/ベスト8)
鎌倉学園(関東/ベスト8)
石橋(関東/初戦敗退)
早稲田実(東京/ベスト8)
日大豊山(東京/ベスト8)
日野(東京/ベスト16)
星稜(北信越/ベスト4)
富山北部・水橋(北信越/初戦敗退)
三重(東海/ベスト4)
岐阜第一(東海/ベスト4)
松阪商(東海/初戦敗退)
滋賀学園(近畿/初戦敗退)
山田(近畿/初戦敗退)
米子東(中国/ベスト4)
山口県桜ケ丘(中国/ベスト8)
鳴門(四国/ベスト4)
神村学園(九州/ベスト8)
延岡学園(九州/ベスト8)
東明館(九州/ベスト8)
具志川商(九州/ベスト8)
各地区から地区大会出場校の中で、最も地区推薦が有力と思われる高校を水色で表記した。知床/松阪商/山口県桜ケ丘は実績を買ってのチョイス。知床は前選抜から28年/松阪商は長年上位校/山口県桜ケ丘は私立の足枷もあり、いずれも本推薦は厳しそうだ。その他、八戸西/具志川商は地区大会で1勝の実績は大きく前述した3校のようなマイナスも無いため可能性は低くない。石橋/山田は強豪校の集う激戦区での戦いぶりが評価としては高い。石橋は作新学院/山田は履正社を破った明確なアピールポイントもある。日野は石橋との比較となると厳しい。富山北部・水橋は優勝校(敦賀気比)に5点差と粘った試合/連合チームとして21世紀枠はどうなのかが評価の分かれ目。
一方で神宮枠が無くなった事で余る1枠の行方を踏まえると、黒字の高校にも可能性が無いわけではない。ここでは補欠校になる可能性のある高校を記載しているが、やはり近年の実績に強みのある星稜の存在が光る。他では抜群の投手力で北海道準Vの旭川実/優勝した智辯学園に1点差の接戦を演じた滋賀学園の実力は大きいか。東北/関東/東海/中国/四国の高校はいずれも大敗を喫したのが痛い。仮に枠の動きがあるとするならば上記の3校が関わる可能性もありそうだ。
【近畿】過去選考を見る【2016~2020年】+来年の近畿6校予想
こんばんは。
過去選考は今日で最終回です。
最後に来年の予想をします。
【2016年】推薦…長田〇
選抜地区内訳(阪神2+1/京滋2/奈和2)
ベスト4(大阪1/兵庫1/京都1/滋賀1)
ベスト8(奈良1/和歌山1)
ベスト8(大阪1/兵庫1)
21世紀枠(兵庫1)
大阪桐蔭(大阪2位)…優勝
滋賀学園(滋賀3位)…準優勝
龍谷大平安(京都1位)…ベスト4
明石商(兵庫1位)…ベスト4
(大)智辯学園(奈良1位)●4-9
(明)市和歌山(和歌山1位)●0-7
(滋)報徳学園(兵庫2位)●0-1
(龍)阪南大高(大阪3位)●0-7
今でも色々と物議を醸す選考として有名。まず県順位/地域性◎で対戦相手の大阪桐蔭が優勝した智辯学園は文句無し。残り1校を選ぶ際に、府順位とコールド負けが響き阪南大高は落選。報徳学園と市和歌山の一騎打ちとなった。近畿推薦前までは準々決勝の試合内容から報徳学園が有利な立場にいたが、近畿推薦が長田(県大会で報徳学園に敗れベスト8)となると急展開に。5枠目までに和歌山勢がいない事/準々決勝の相手が報徳学園は滋賀3位/市和歌山は兵庫1位であった事が考慮されたか、まさかの市和歌山が最終枠に。21世紀枠と一般枠は別と言われるが、この選考からはその意図が見えない。
【2017年】推薦…洛星×
選抜地区内訳(阪神4/京滋1/奈和2)
ベスト4(大阪2/兵庫1/滋賀1)
ベスト8(兵庫1/奈良2)
ベスト8(大阪1)
21世紀枠(京都1)
履正社(大阪2位)…優勝
神戸国際大附(兵庫1位)…準優勝
大阪桐蔭(大阪3位)…ベスト4
滋賀学園(滋賀1位)…ベスト4
(大)智辯学園(奈良1位)●4-6
(滋)報徳学園(兵庫2位)●0-1
(履)高田商(奈良2位)●0-7
(神)上宮太子(大阪1位)●3-11
前年に続き波乱の選考に。まず履正社が神宮を制した事で近畿は7枠になったが、履正社の他に大阪桐蔭もベスト4入りした事で上宮太子は除外。今秋、唯一履正社に土を付けた大阪王者が地域性に泣かされた。そうなると残りの3校が消去法で選ばれるのはほぼ確実に。智辯学園/報徳学園は試合内容も良く異論は無いが、高田商はよりによって履正社にコールド負け。初戦敗退の1位校にも可能性はありそうだが、和歌山東(和歌山1位)/東山(京都1位)は対戦相手が準々決勝で敗れ評価を伸ばせず。結局、他に有力校が無かったことから高田商が7枠目となった。ベスト8から同県2校選出はかなりの珍事である。
【2018年】推薦…膳所〇
選抜地区内訳(阪神1/京滋3+1/奈和2)
ベスト4(大阪1/京都1/滋賀1/和歌山1)
ベスト8(滋賀1/奈良1)
ベスト8(大阪1/奈良1)
21世紀枠(滋賀1)
大阪桐蔭(大阪1位)…優勝
智辯和歌山(和歌山1位)…準優勝
乙訓(京都1位)…ベスト4
近江(滋賀1位)…ベスト4
(乙)智辯学園(奈良1位)●4-9
(近)彦根東(滋賀3位)●3-4
(智)法隆寺国際(奈良3位)●4-11
(大)近大附(大阪3位)●1-10
この年も波乱続き。準々決勝がコールド2試合になった事で智辯学園/彦根東が選出濃厚な点までは普通だったが、近畿推薦で滋賀3校目となる膳所を選出。2年前の報徳学園の事例もあり、膳所が21世紀枠で選出された場合に地域性で彦根東の落選も考えられた。しかし、結果はまさかの両選出。唯一の初戦敗退1位校であった明石商は、地域性/初戦1点差の内容面も良く逆転選出の目もあったが初戦の相手が彦根東だった事も響いた。優勝したのが大阪桐蔭と考えると、前年の近畿王者&選抜準Vの履正社(大阪2位)の力を買う事も出来たが、流石に2位校は厳しかった。県3校選出は1995年の兵庫以来。
【2019年】推薦…八尾×
選抜地区内訳(阪神2/京滋2/奈和2)
ベスト4(大阪1/兵庫1/京都1/和歌山1)
ベスト8(京都1/和歌山1)
ベスト8(大阪1/兵庫1)
21世紀枠(大阪1)
龍谷大平安(京都3位)…優勝
明石商(兵庫1位)…準優勝
履正社(大阪1位)…ベスト4
智辯和歌山(和歌山1位)…ベスト4
(龍)市和歌山(和歌山2位)●4-5
(履)福知山成美(京都1位)●0-5
(智)大阪桐蔭(大阪2位)●2-5
(明)報徳学園(兵庫3位)●0-4
優勝した龍谷大平安を軸にした選考に。まずここに1点差だった市和歌山が当選。残る3校の中で、同県の明石商に完封負けを喫した報徳学園は県3位も響き落選。大阪桐蔭と福知山成美の最終枠争いに。福知山成美は同府の龍谷大平安が優勝した点が評価されるも、大阪桐蔭と同府の履正社に完敗。更に履正社が準決勝でコールド負けと評価は伸び切らず。一方の大阪桐蔭は春夏連覇の実績を直近に残してはいるが、府順位で劣り智辯和歌山が準決勝でコールド負けとこちらも評価は伸び切らず。地域性も差が無くどちらが選ばれても不思議ではなかったが、府1位が決め手の福知山成美が選ばれた。
【2020年】推薦…伊香×
選抜地区内訳(阪神3/京滋0/奈和3)
ベスト4(大阪2/奈良2)
ベスト8(兵庫1/和歌山1)
ベスト8(京都1/奈良1)
21世紀枠(滋賀1)
天理(奈良3位)…優勝
大阪桐蔭(大阪1位)…準優勝
履正社(大阪2位)…ベスト4
智辯学園(奈良1位)…ベスト4
(大)明石商(兵庫2位)●3-4
(智)智辯和歌山(和歌山1位)●13-17
(履)京都翔英(京都1位)●3-10
(天)奈良大附(奈良2位)●0-14
まず地域性/内容面で明石商は外せない。そして最終枠も、京都翔英/奈良大附がコールド負けした事から智辯和歌山が濃厚であった。しかしここで浮上したのが地域性の問題。智辯和歌山を選ぶと、京滋0に対して阪神3/奈和3と偏りが生じる事に疑問を呈する記事も出るなど不穏な状況に。確かに地区内訳で0になる事は今まで無かったし、非コールドとはいえ京都翔英を大きく上回る17失点の印象の悪さがどう影響するかが心配されたが、最終的には不問となり智辯和歌山が順当に選出。その分の埋め合わせなのか、近畿推薦で京滋枠の伊香が選ばれた事は果たして無関係なのだろうか。
最後に来年の予想をします。
【2021年】推薦予想…山田
選抜地区内訳(阪神2/京滋1/奈和3)
ベスト4(大阪1/京都1/奈良1/和歌山1)
ベスト8(兵庫1/奈良1)
ベスト8(京都1/和歌山1)
21世紀枠(大阪1)
①智辯学園(奈良2位)…優勝
②大阪桐蔭(大阪1位)…準優勝
③市和歌山(和歌山1位)…ベスト4
④京都国際(京都3位)…ベスト4
(京)⑤神戸国際大附(兵庫1位)●5-6
(大)⑥天理(奈良1位)●4-11
(智)▲①龍谷大平安(京都1位)●3-8
(市)▲②智辯和歌山(和歌山3位)●0-2
※近畿推薦(奈良)なら天理▲②/平安⑥も。
※近畿推薦(兵庫)なら神国附▲①/平安⑤も。
ベスト4の選出に問題はない。唯一コールド負けを喫した京都国際が⑤に下げられる可能性はあるが大勢に影響はない。残る2枠は神戸国際大附/天理を予想。ベスト8で唯一地域性◎/兵庫1位の優位性が大きい神戸国際大附が5枠目濃厚。6枠目はどこを選んでも異論が出そうな選考ではあるが天理を推したい。智辯学園に唯一土を付け、コールド負けした対戦相手の大阪桐蔭が智辯学園との決勝という事で力量的には3番手クラスと推測し、連戦となったエース達の力量をが失点数ほどではないと判断するという予想から。コールド負けは痛いが、龍谷大平安も5点差なのでここの評価幅が少なければ十分にあり得る。
一方で龍谷大平安は、対戦相手の智辯学園が優勝したものの比較相手が天理という点がどう影響するか。智辯学園を軸に選考を考えるなら、ここに5点差で負けた校/県大会決勝に6点差で勝った校という明確なスコア差がある。また、同府の京都国際が準決勝で大阪桐蔭にコールド負けを喫した点も無関係では無い。それでも非コールドである事の評価は大きいため、天理より上の評価でも違和感は無い。智辯和歌山は唯一の3位校であり、そこを埋め合わせる評価の+もない。準々決勝の2点差は良いとしても対戦相手の市和歌山が智辯学園に敗れたのだから、少なくとも龍谷大平安を上回る要素は無いと考える。
また21世紀枠の動向も注視したい。本来、21世紀枠と一般枠は別物と表向きには示されているが報徳学園/箕島の例もあり、実際は地域性の調整に無関係では無いと捉えられてもおかしくない。今年で言えば京滋の地域性に支障は無いが目立った候補もいないため、ここからの選出は無さそう。残る1府3県で山田を推す理由は、府大会で履正社を下した実績から。大阪は今まで近畿大会出場の公立校を府推薦に推せなかった事もあり、千載一遇の年でもある。東播磨はここ10年で洲本/長田が選ばれた兵庫という点のバランスがどうか気になるところ。畝傍は21世紀枠の理念に一致している点が大きく、大阪同様に不遇の奈良という事もある。
【近畿】過去選考を見る【2011~2015年】
こんばんは。
第3回です。
【2011年】推薦…守山×
選抜地区内訳(阪神3/京滋1/奈和2)
ベスト4(大阪1/兵庫1/奈良1/和歌山1)
ベスト8(兵庫1/京都1)
ベスト8(大阪1/滋賀1)
21世紀枠(滋賀1)
天理(奈良2位)…優勝
履正社(大阪2位)…準優勝
報徳学園(兵庫3位)…ベスト4
智辯和歌山(和歌山1位)…ベスト4
(報)京都成章(京都3位)●4-5
(天)加古川北(兵庫2位)●5-9
(履)守山(滋賀2位)●0-11
(智)PL学園(大阪3位)●4-9
ベスト8に1位校が1校のみ(残り5校は初戦敗退)の波乱。中でも大阪桐蔭(大阪1位)の敗戦が選考を左右した。まず、地域性◎の京都成章は内容も良く決定。残る3校の中で、守山は21世紀枠の近畿推薦を得ていたがコールド負けにより落選。PL学園はもちろん実績十分な学校ではあるが、初戦の和歌山商(和歌山3位)から2点しか取れず。一方で加古川北は頭角を現したばかりの公立校。しかし初戦で大阪桐蔭に完封勝利を果たした点が選考の決定打。地域性以上に、公立校が大阪桐蔭に土を付けた衝撃度は計り知れない価値があった。
【2012年】推薦…洲本〇
選抜地区内訳(阪神2+1/京滋2/奈和2)
ベスト4(大阪1/滋賀1/奈良2)
ベスト8(大阪1/京都1)
ベスト8(滋賀1/奈良1)
21世紀枠(兵庫1)
智辯学園(奈良2位)…優勝
天理(奈良3位)…準優勝
履正社(大阪3位)…ベスト4
近江(滋賀1位)…ベスト4
(智)鳥羽(京都1位)●4-8
(天)大阪桐蔭(大阪1位)●4-8
(履)水口(滋賀2位)●3-15
(近)奈良大附(奈良1位)●1-2
奈良決勝が選考に多大な影響を及ぼした。まず真っ先に落とされたのは奈良大附。3校ルールがあるとはいえ、優勝した智辯学園に県大会で土を付けた奈良王者がこの内容で落とされるのはやるせないだろう。そして水口もコールド負けで落選となると、半ば消去法で2校が残った。鳥羽は智辯学園/大阪桐蔭は天理にそれぞれ4点差と善戦し、コールド負けしなかった時点でこの2校は元々濃厚であった。それ以上に選考をざわつかせたのが洲本の21世紀枠。兵庫3校が初戦敗退となった事で初の兵庫0校が危惧されていたが、21世紀枠での選出で回避となった。
【2013年】推薦…堀川×
選抜地区内訳(阪神3/京滋1/奈和2)
ベスト4(大阪1/兵庫1/京都2)
ベスト8(大阪1/奈良1)
ベスト8(大阪1/奈良1)
21世紀枠(京都1)
京都翔英(京都1位)…優勝
報徳学園(兵庫1位)…準優勝
龍谷大平安(京都3位)…ベスト4
大阪桐蔭(大阪2位)…ベスト4
(龍)大和広陵(奈良2位)●0-2
(京)履正社(大阪1位)●1-3
(報)大商大堺(大阪3位)●0-13
(大)天理(奈良1位)●1-8
奈良と大阪が2校ずつの選考となったが、まずはコールド負け&大阪3校目(履正社より評価が低いため)大商大堺は落選。逆に履正社は大阪1位&優勝した京都翔英に善戦した点の評価で選出。奈良2校のどちらを選ぶかという問題となった。実績/県大会の直接対決で勝利した天理はコールド負けも痛いが、何よりも対戦相手である大阪桐蔭が準決勝で報徳学園にコールド負けした事により評価を大きく下げた。そして、選抜未出場の大和広陵は期待値込みの選出となった。選出されなかったので目立たなかったが、近畿推薦の堀川は21世紀枠で選出されていたら京都3校目となっていた。
【2014年】推薦…海南〇
選抜地区内訳(阪神2/京滋2/奈和2+1)
ベスト4(大阪1/兵庫1/京都1/和歌山1)
ベスト8(京都1/奈良1)
ベスト8(兵庫1/奈良1)
21世紀枠(和歌山1)
龍谷大平安(京都1位)…優勝
智辯和歌山(和歌山1位)…準優勝
履正社(大阪1位)…ベスト4
報徳学園(兵庫1位)…ベスト4
(龍)智辯学園(奈良1位)●1-2
(報)福知山成美(京都2位)●0-1
(履)三田松聖(兵庫2位)●0-5
(智)奈良大附(奈良2位)●0-10
荒れない選考となった。4府県の1位校がベスト4入りする中で、ベスト8で唯一の1位校である智辯学園は地域性も相まって順当に選出。残りの3校の中で奈良大附はコールド負け/三田松聖は5点差の完敗という事もあり、内容で優る福知山成美が選出された。滋賀勢が準々決勝に1校でも残っていたら地域性で有利であったが3校とも初戦敗退。ちなみに21世紀枠で選出された海南は、初戦で履正社に1点差の大健闘。大阪勢は履正社以外初戦敗退に終わっていたため、もし履正社が敗れていた場合は近大附のような選出があったかもしれない。
【2015年】推薦…桐蔭〇
選抜地区内訳(阪神1/京滋3/奈和2+1)
ベスト4(京都2/奈良2)
ベスト8(大阪1/滋賀1)
ベスト8(滋賀1/和歌山1)
21世紀枠(和歌山1)
天理(奈良1位)…優勝
立命館宇治(京都2位)…準優勝
奈良大附(奈良2位)…ベスト4
龍谷大平安(京都1位)…ベスト4
(立)近江(滋賀1位)●2-6
(天)大阪桐蔭(大阪1位)●2-3
(奈)箕島(和歌山1位)●2-3
(龍)北大津(滋賀2位)●4-6
色々と異質な選考となった選考の始まりは兵庫勢の初戦敗退による全滅。大阪勢も大阪桐蔭の1勝のみで、ここまで阪神勢の存在感が薄い年は珍しい。主役は奈良/京都勢でそれぞれ2校ずつがベスト4入り。ベスト8は全試合が3点差以内の熱戦続きであったが、上記に書いたように大阪/兵庫は地域性から最優先。大阪桐蔭の選出に弊害は無かった。次に滋賀勢を比較した時に北大津が近江を上回る評価を得られず落選。近江と箕島の比較となった最終枠争いだが、21世紀枠に桐蔭が選ばれた事で箕島の地域性が損なわれたのが決め手。また初戦でPL学園(大阪2位)を破った評価も高く近江が選ばれた。
【近畿】過去選考を見る【2006~2010年】
こんばんは。
昨日の続きで2006~2010年の選考です。
※寸評は独自のものです。
赤色/青色…選抜確定
緑色…選抜落選
水色…21世紀枠にて選抜確定
【2006年】推薦…県和歌山商×
選抜地区内訳(阪神3/京滋1/奈和2)
ベスト4(大阪2/京都1/和歌山1)
ベスト8(兵庫1/滋賀1)
ベスト8(奈良1/京都1)
21世紀枠(和歌山1)
履正社(大阪3位)…優勝
智辯和歌山(和歌山1位)…準優勝
京都外大西(京都2位)…ベスト4
PL学園(大阪1位)…ベスト4
(京)北大津(滋賀3位)●4-5
(履)神港学園(兵庫1位)●4-10
(智)天理(奈良1位)●1-5
(PL)平安(京都1位)●6-7
大阪勢が良くも悪くも選考の行方を左右した年となった。まず大阪勢で唯一初戦敗退の大阪桐蔭を破った北大津は、3位校ながら内容面/地域性◎で選出された。残り3校の中で準々決勝で一番立場が悪かったのは神港学園。履正社にコールド寸前の敗北により、地域性◎の天理かPL学園に1点差の平安が有力であった。しかし、準決勝で履正社がPL学園にコールド勝ちした事で評価が一変。履正社は天理の対戦相手である智辯和歌山も決勝で破り、準々決勝の点差はほぼ影響力を失った。何より大阪同様に兵庫0を避けたかった思惑もあり神港学園が滑り込み。6点差と1点差の評価が逆転するレアケースとなった。
【2007年】推薦…県和歌山商×
選抜地区内訳(阪神4/京滋1/奈和1)
ベスト4(大阪1/兵庫2/滋賀1)
ベスト8(大阪1)
ベスト8(兵庫1/滋賀1/和歌山1)
初戦敗退(和歌山1)
21世紀枠(和歌山1)
報徳学園(兵庫1位)…優勝
大阪桐蔭(大阪1位)…準優勝
北大津(滋賀2位)…ベスト4
市川(兵庫2位)…ベスト4
(報)北陽(大阪2位)●0-5
(北)東洋大姫路(兵庫3位)●6-7
(市)智辯和歌山(和歌山2位)●3-10
(大)近江(滋賀1位)●6-13
※県和歌山商(和歌山1位)●3-5
コールド負けが2試合。すんなり残りの2校で決まる…はずが東洋大姫路は兵庫3校目という事で除外され波乱の選考へ。北陽も5点差の完封負け&府順位/地域性の決定打も無いが、比較校に恵まれた。残り2校の比較で智辯和歌山は地域性◎/近江は県順位とそれぞれに推せる点はあるが、やはりコールド負けが響き初戦敗退校も含めて議論に。報徳学園に1点差の熊野(和歌山3位)もいたが、熊野/智辯和歌山と同県上位の県和歌山商が高評価を得た。また、地区別で奈和0のバランスを加味すると和歌山>滋賀の優先順位になる事も理由となり、県和歌山商が逆転選出。東洋大姫路と近江は地域性に泣かされた。
【2008年】推薦…畝傍×
選抜地区内訳(阪神2/京滋2/奈和2)
ベスト4(大阪1/兵庫1/京都1/和歌山1)
ベスト8(滋賀1/奈良1)
ベスト8(奈良2)
21世紀枠(奈良1)
東洋大姫路(兵庫1位)…優勝
平安(京都1位)…準優勝
履正社(大阪1位)…ベスト4
智辯和歌山(和歌山1位)…ベスト4
(履)北大津(滋賀1位)●8-10
(智)天理(奈良1位)●5-6
(東)奈良大附(奈良2位)●4-6
(平)郡山(奈良3位)●4-9
去年、3校ルールに泣かされた東洋大姫路が堂々の優勝。その他、ベスト4に4府県の1位校が入る無風であったが選考も同様に無風であった。点差自体に差は無いが、地域性と県順位で北大津/天理が選ばれるのは誰が見ても妥当なところ。これで近畿2府4県の1位校が全て選抜入りした。奈良大附/郡山は対戦相手の東洋大姫路が優勝/平安が準優勝した点は大きいが、両校とも県大会で天理に敗れたのが痛恨。ここまでわかりやすい選考だと予想する方は面白みが無いかもしれないが、地域性で落とされる選考が続いてきただけに当事者からすると一安心できる選考といえる。
【2009年】推薦…彦根東〇
選抜地区内訳(阪神3/京滋1+1/奈和2)
ベスト4(大阪2/京都1/奈良1)
ベスト8(兵庫1/和歌山1)
ベスト8(大阪1/兵庫1)
21世紀枠(滋賀1)
天理(奈良1位)…優勝
PL学園(大阪1位)…準優勝
福知山成美(京都1位)…ベスト4
金光大阪(大阪2位)…ベスト4
(PL)報徳学園(兵庫1位)●0-7
(天)箕島(和歌山3位)●4-7
(金)大阪桐蔭(大阪3位)●2-3
3年前のように兵庫勢に一波乱があった。内容面で悪印象だったのは唯一コールド負けであった報徳学園。それでも即落選とならなかったのは大阪桐蔭の存在。ベスト4に大阪2校がいるため、またしても3校ルールに泣かされることに。残る3校から兵庫2校を選ぶのは地域性に欠けるため、対戦相手の天理が優勝/地域性◎の箕島をまずは当選。次に報徳学園/東洋大姫路のそれぞれの対戦相手である、PL学園/福知山成美の準決勝の結果と県大会での直接対決の結果がコールド負けを上回る評価であるとされ、報徳学園が選出された。なお21世紀枠で初めて近畿勢が選ばれたものの選考に影響はなかった。
【2010年】推薦…向陽〇
選抜地区内訳(阪神3/京滋1/奈和2+1)
ベスト4(大阪1/兵庫2/京都1)
ベスト8(奈良1/和歌山1)
ベスト8(兵庫1/京都1)
21世紀枠(和歌山1)
神戸国際大附(兵庫1位)…優勝
大阪桐蔭(大阪1位)…準優勝
神港学園(兵庫3位)…ベスト4
立命館宇治(京都1位)…ベスト4
(立)智辯和歌山(和歌山1位)●6-7
(神)天理(奈良1位)●3-5
(大)育英(兵庫2位)●0-2
(港)福知山成美(京都2位)●2-3
まずは、優勝した神戸国際大附と接戦/地域性◎の天理で文句無し。残りは地域性/県順位で智辯和歌山優勢…のところが21世紀枠で向陽が選ばれたことにより混沌に。とはいえ、育英はベスト4に兵庫2校の3校ルールで除外(神港学園が準決勝コールド負け/県大会の直接対決で勝利した事により評価の逆転もあり得たが実現せず)。福知山成美も神港学園の準決勝の結果で大きく評価を落とした事もあり、智辯和歌山で決まった。兵庫勢に振り回される選考が多いのは兵庫勢が強いという証明でもある。ちなみに向陽は初戦で天理に1点差の惜敗。勝っていたら智辯和歌山の立場も危うくなっていたかもしれない。
【近畿】過去選考を見る【2001~2005年】
こんにちは。
近畿大会も終わり、全国的に見ても残りは東京大会・九州大会のみですね。この時期になると21世紀の推薦候補が次々に決まってくる頃ですが果たしてどうなるでしょうか。
今日は2回に分けて、近畿の選考についてのお話をしていきます。過去記事に似たような記事は出してますが今日は年毎にまとめて詳しく書いていきます(4回に分けて書いていきます)
※寸評は独自に文章化したものです。
点差毎の過去選考は上記の記事を参考に。
赤色/青色…選抜確定
緑色…選抜落選
水色…21世紀枠にて選抜確定
【2001年】推薦…桐蔭×
選抜地区内訳(阪神4/京滋1/奈和2)
ベスト4(大阪2/兵庫1/京都1)
ベスト8(兵庫1/奈良1/和歌山1)
ベスト8(大阪1)
21世紀枠(和歌山1)
鳥羽(京都1位)…優勝
関西創価(大阪1位)…準優勝
神戸国際大附(兵庫1位)…ベスト4
浪速(大阪2位)…ベスト4
(関)智辯学園(奈良1位)●1-2
(浪)南部(和歌山1位)●3-5
(神)姫路工(兵庫3位)●0-3
(鳥)大阪桐蔭(大阪2位)●2-8
近畿最後の通常7枠の年。7枠の場合は初戦敗退校の可能性も考えられるが、準々決勝のスコアが競っていることもあり、すんなりベスト8から3校が当選した。まず、地域性/県順位で智辯学園/南部は申し分無し。最終枠を争う際に、大阪桐蔭は対戦相手の鳥羽が優勝/姫路工は対戦相手の神戸国際大附がベスト4と考えると内容的にはほぼイーブン。となると地域性だが、大阪は既にベスト4に2校勝ち上がっている点が決定打となり、姫路工が選ばれた。2000年以降は度々3校ルール(同府県から3校目を選ばない)で落とされる選考が多く、大阪桐蔭はこの年を含めて2度のルール適用で落選している。
【2002年】推薦…彦根東×
選抜地区内訳(阪神4/京滋1/奈和1)
ベスト4(大阪1/兵庫1/京都1/和歌山1)
ベスト8(大阪1/兵庫1)
ベスト8(滋賀1/奈良1)
21世紀枠(滋賀1)
報徳学園(兵庫1位)…優勝
金光大阪(大阪1位)…準優勝
平安(京都1位)…ベスト4
智辯和歌山(和歌山1位)…ベスト4
(金)三木(兵庫2位)●1-5
(報)大体大浪商(大阪2位)●1-8
(平)彦根東(滋賀3位)●0-10
(智)郡山(奈良1位)●1-8
この年から近畿6枠に。しかし三木を除く3校がコールド負けで選考は波乱の様相に。まずは内容面で非コールドが重視され三木が選出。残りはコールド負けなので初戦敗退校から選ぶ考えもあった(最有力は報徳学園に1点差の天理)。ただ天理の上位互換として郡山がいるため除外。地域性では彦根東/郡山が一歩リードし、特に彦根東は21世紀枠の近畿推薦も得ており好印象ではあったが、一般枠となると県順位が痛かった。大体大浪商は対戦相手の報徳学園が優勝/県順位&地域性で郡山に劣るものの、近年の大阪の充実度が評価の決め手となって当選した。力量>地域性という判断か。
【2003年】推薦…橋本×
選抜地区内訳(阪神4/京滋1/奈和1)
ベスト4(兵庫1/京都1/奈良1/和歌山1)
ベスト8(滋賀1)
ベスト8(兵庫1/和歌山2)
初戦敗退(大阪1)
21世紀枠(和歌山1)
平安(京都3位)…優勝
智辯和歌山(和歌山3位)…準優勝
東洋大姫路(兵庫3位)…ベスト4
斑鳩(奈良1位)…ベスト4
(平)近江(滋賀1位)●5-7
(智)箕島(和歌山2位)●4-7
(東)育英(兵庫1位)●1-2
(斑)南部(和歌山1位)●4-5
※近大附(大阪1位)●2-4
ベスト4に府県3位が3校の大波乱。しかし、優勝した平安に僅差で地域性も◎の近江はすんなりと決まった。残り3校の内で和歌山2校である事から県順位が下の箕島を除外。育英と南部で点差/対戦相手の勝ち上がり/地域性に全く差が無く、決め手に欠けていたところに初戦敗退の近大附が浮上。5枠目までに近畿2府4県の中で唯一大阪だけが選ばれておらず、過去に大阪が選出されなかった前例が無い/1984年にベスト4で落選した過去なども影響し近大附が逆転選出。地域性&過去選考が色濃く反映された選考となった。育英は同県の東洋大姫路に直接対決で敗れたのも影響したか。
【2004年】推薦…耐久×
選抜地区内訳(阪神3/京滋2/奈和1)
ベスト4(大阪1/兵庫1/京都1/奈良1)
ベスト8(兵庫1/滋賀1)
ベスト8(奈良1/和歌山1)
21世紀枠(和歌山1)
大阪桐蔭(大阪3位)…優勝
社(兵庫3位)…準優勝
斑鳩(奈良1位)…ベスト4
立命館宇治(京都1位)…ベスト4
(社)八幡商(滋賀1位)●0-3
(立)報徳学園(兵庫2位)●3-4
(斑)智辯和歌山(和歌山2位)●2-6
(大)高田商(奈良2位)●0-12
去年に続き3位校同士の決勝となったが、選考は去年とは違い波乱はそこまでなく2校が決まり。まずは内容面と県大会で社に勝利した評価が高く報徳学園が選出。残り3校で1番印象が強いのは高田商で、初戦に何とPL学園(大阪1位)にコールド勝ち。少しでも準々決勝で競っていれば可能性大だったが、流石にコールド負けを中和するには至らず。智辯和歌山も初戦で育英(兵庫1位)を破るなど勝ち上がりは良く、地域性も◎だったが八幡商とは地域性で差がつかず。むしろ県順位/公私立の影響が大きかったか、八幡商が最終枠に滑り込んだ。
【2005年】推薦…桜井×
選抜地区内訳(阪神3/京滋1/奈和2)
ベスト4(兵庫2/滋賀1/奈良1)
ベスト8(大阪1/和歌山1)
ベスト8(大阪1/京都1)
21世紀枠(奈良1)
神戸国際大附(兵庫1位)…優勝
育英(兵庫2位)…準優勝
八幡商(滋賀1位)…ベスト4
天理(奈良1位)…ベスト4
(育)大産大附(大阪3位)●2-3
(神)市和歌山商(和歌山1位)●1-2
(八)履正社(大阪1位)●8-15
(天)立命館宇治(京都3位)●4-5
兵庫決勝となったこの年は、兵庫2校に1点差で競り合い地域性◎の2校が選出。ベスト8の4校はいずれも地域性◎のためここでは差がつかず。内容面でまずコールド負けの履正社が除外。残り3校の中で県順位で優る/対戦相手の神戸国際大附が優勝した市和歌山商は安泰。残る大産大附/立命館宇治は初戦の相手が1位校という訳では無いが、大産大附はコールド勝ちで勝ち上がりはやや上。加えて、育英の初戦が福知山成美(京都1位)にコールド勝ちだった事も立命館宇治には痛手。こういった小さな差が最終的に影響して大産大附が選出された。とはいえ、やはり近大附同様に大阪0の危機が最大の決め手か。
【近畿V2】奈良勢の強さは智辯学園・天理だけではない。
こんにちは。
先日、近畿大会が終了しまして智辯学園が9年ぶりのVという事でおめでとうございます。西村/小畠と去年からの経験を積む投手2枚が試合を重ねるごとに安定し、例年の強打のイメージそのままに見事な優勝でした。奈良勢のV2は2010年(天理)/2011年(智辯学園)以来という事で近年の奈良勢の充実を感じ取れます。
【智辯学園アラカルト】
・4府県の1位校を連破し優勝
まずこの記録自体は半分運も絡んできます(府県1位通過なら無理/2位&3位通過でも対戦相手全てが1位校になるとは限らない)。ですが、滋賀学園/龍谷大平安/市和歌山/大阪桐蔭を4連破したのは素晴らしいですね。この記録は1984年の東洋大姫路(大谷/天理/智辯和歌山/PL学園)以来と中々見れません。去年は県3位の天理が近畿Vだった事もあり、どの県順位でも油断ならない奈良勢の強さを感じさせます。
・初戦8失点で優勝
近畿Vを果たすチームの大半は投手力に長けており、特に比較的対戦相手に恵まれやすい初戦の失点は3失点以下であることが多いです。智辯学園も西村/小畠と経験豊富な2枚看板がいるため、そこまで投手力に難がある訳では無いのですが初戦は乱打戦に。初戦8失点で優勝したのは史上初の記録です。8失点の経験を踏まえ、次試合以降でしっかりまとめてきた西村の修正力の高さ/後ろに小畠がいる安心感が大きいですね。
・コールド勝ち0で優勝
優勝校といえばコールド勝ちを重ねて勢いをつけて…という校が多いですが、智辯学園は初戦のサヨナラ勝ちを起点として接戦で勝ち残る強さを感じさせる校だったように思います。決勝の相手が3試合コールド勝ちの大阪桐蔭だった事もありますが、昨日の試合展開は智辯学園のここまでの経験で優ったように思います。この記録は2013年の龍谷大平安以来。翌年に龍谷大平安は選抜を制したので良いジンクスかもしれません。
・4試合連続完投で優勝
前述したように優勝校の大半は継投で勝ち上がる校であり、エース1枚のチームでも準決勝以降は2枚目の投手育成を見据えた起用も多いです(今年の市和歌山など)。その為、4試合連続完投(準決勝は小畠/その他は西村)で優勝というのは完投能力のある投手を複数枚揃っている理想の投手陣といえます。この記録に当てはまる2016年の履正社が選抜準優勝/2017年の大阪桐蔭が選抜優勝を果たしたのも無関係ではないでしょう。
以上、色々な記録をまとめてみました。
次に奈良勢の強さについて。
・近畿大会勝率の上昇
※2001年~2010年
兵庫(43勝25敗).632
大阪(35勝28敗).556
奈良(21勝23敗).477
京都(21勝24敗).467
和歌山(19勝25敗).432
滋賀(11勝25敗).306
天理(13勝7敗)
斑鳩(4勝2敗)
郡山(2勝4敗)
奈良大附(1勝1敗)
高田商(1勝3敗)
桜井(0勝1敗)
片桐(0勝1敗)
関西中央(0勝1敗)
智辯学園(0勝3敗)
※2011年~2020年
奈良(35勝21敗).625
大阪(38勝27敗).584
京都(30勝22敗).577
兵庫(19勝30敗).388
和歌山(15勝25敗).375
滋賀(13勝25敗).342
智辯学園(14勝5敗)
天理(13勝4敗)
奈良大附(5勝5敗)
法隆寺国際(1勝1敗)
大和広陵(1勝1敗)
高田商(1勝2敗)
橿原学院(0勝1敗)
平城(0勝1敗)
橿原(0勝1敗)
10年で区切った時の各府県の勝率と奈良勢の勝率です。勝率の伸びは他府県を凌駕していますね。奈良勢の内訳にも大きな変化があり、2000年代で近畿大会3連敗だった智辯学園が計14勝をあげる躍進ぶり。更にその2校に追随するように奈良大附が台頭し、近畿で戦える校が天理1枚から3枚に増えた事で県内競争が高まり、大阪を上回る勝率になったと考えられます。
近畿で戦える高校が3校になったという意味では、兵庫(神戸国際大附/報徳学園/明石商)も該当しますが大きく勝率を落としています。ただ単に戦える3校を揃えるだけではなく、3校が近畿大会の面子として固定化されないような県内での充実ぶりが必要になってきます。 そういう意味では今年の兵庫は東播磨/長田が上位・報徳学園/明石商が中盤で敗退と変化の兆候があります。2010年代は東洋大姫路/神港学園/育英などの実力校の衰退の出場減退に伴う新興校が明石商ぐらいだったので、2020年代はこの点に期待したいですね。
・畝傍/奈良/法隆寺国際/高田商など公立の充実
大半の都道府県の柱は私立で奈良勢も上記に述べた天理・智辯学園・奈良大附の壁が厚く、近畿への道は容易ではありません。しかし、大阪のように何十年と公立校が近畿に来れないという状況でも無く、県大会で度々好勝負を演じています。強豪私立のいる都道府県にありがちな競争力の低さとは無縁で、2~3年に1度のペースで公立校が近畿に顔出し出来ています。この私立と公立の絶妙なバランスが高い競争力を生む要因と考えられます。
・あまりの充実に21世紀枠とは無縁?
【21世紀枠/近畿推薦】
※2001年~2010年
兵庫×
大阪×
奈良2(桜井/畝傍)
京都×
和歌山5(橋本/耐久/県商2/向陽)
滋賀3(彦根東2/守山)
※2011年~2019年
奈良×
大阪1(八尾)
京都2(堀川/洛星)
兵庫2(洲本/長田)
和歌山2(海南/桐蔭)
滋賀2(膳所/伊香)
これまでの近畿推薦のまとめですが、奈良は畝傍以降10年以上近畿推薦から遠ざかっています。理由はいくつかありますが、まず21世紀枠は一般枠であまり枠を食わない府県に優先的に与えられているということです。上記の勝率表と照らし合わせると、2001年~2010年で勝率1,2位の兵庫/大阪から近畿推薦を選ばれておらず、2011年~は勝率1位の奈良から近畿推薦が選ばれていません。勝率と近畿推薦はいわば反比例のような関係となっています。
また、奈良と「同地区」の和歌山にかなり枠が割かれているため、その割を食っているのも理由の1つです。基本的に近畿で同地区とは「大阪・兵庫」「京都・滋賀」「奈良・和歌山」を意味し、一般枠を含めなるべく同地区に枠が偏らないように配分されるのが一般的です。つまり、同地区の和歌山に近畿推薦が集中してしまうと奈良に回ってくる近畿推薦の機会が少なくなります。ただ、近畿推薦が少ないのは言い換えると推薦が無くとも府県内が充実している証明でもあるので、この点は良し悪しといった感じでしょうか。
【関東大会】過去20大会分を府県順位で細かく分けてみた【神奈川/埼玉編】
こんにちは。
1か月ほど前に作成した記事の関東版で関東7県を順番に紹介していきます。近畿版は下の記事にて。
・★は選抜出場校
・▲はスーパーシード
・赤文字は関東大会優勝
・青文字は関東大会準優勝
・緑文字は関東大会ベスト4
・紫文字は関東大会ベスト8
・()内は選抜成績
【神奈川1位】選抜率60%
2000年…桐光学園★(3回戦敗退)
2001年…平塚学園
▲2002年…横浜★(準優勝)
2003年…横浜創学館
2004年…東海大相模★(2回戦敗退)
2005年…横浜★(優勝)
2006年…桐光学園
2007年…横浜★(初戦敗退)
▲2008年…慶応★(初戦敗退)
2009年…東海大相模★(初戦敗退)
2010年…横浜★(初戦敗退)
2011年…横浜★(ベスト8)
2012年…東海大相模
2013年…横浜★(ベスト8)
2014年…平塚学園
2015年…横浜
2016年…慶応
▲2017年…東海大相模★(ベスト4)
2018年…横浜★(初戦敗退)
2019年…東海大相模★(1敗)
2000年代はまさに神奈川1位の天下。5度の関東Vを含め、優勝に3校が絡んでる点に神奈川の充実が見て取れる。しかし選抜では戦績が奮わないケースも続き、2007~2010年と4年連続で初戦敗退。その流れで、2010年代は選抜の成績は持ち直したものの今度は関東で勝ち切れず。前評判の高さ故に求められる戦績のハードルも高いため、今年の東海大相模を含めどうも消化不良感が残る年が続いている。
【神奈川2位】選抜率40%
2000年…藤嶺藤沢
2001年…桐蔭学園
2002年…桐蔭学園★(2回戦敗退)
2003年…藤嶺藤沢
2004年…慶応★(ベスト8)
2005年…東海大相模★(2回戦敗退)
2006年…日大藤沢★(初戦敗退)
2007年…慶応★(初戦敗退)
2008年…日大藤沢
2009年…桐蔭学園
2010年…東海大相模★(優勝)
2011年…東海大相模
2012年…横浜隼人
2013年…日大高
2014年…桐光学園
2015年…桐光学園
2016年…横浜
2017年…慶応★(初戦敗退)
2018年…桐蔭学園★(初戦敗退)
2019年…桐光学園
神奈川1位と同様に2位も2000年代は存在感を発揮。選抜に神奈川2校が同時選出される事も珍しくなかった。しかし2010年の東海大相模の選抜Vを境に、5年連続関東初戦敗退と急転。今年含めここ5年は初戦敗退はなく、2018年の桐蔭学園の関東Vなど見せ場も多いが選抜の成績がついてこない。やはり横浜/東海大相模で無いと全国では厳しいのだろうか。それでも県2位で選抜40%は流石の数字。
【埼玉1位】選抜率45%
2000年…浦和学院
2001年…浦和学院★(ベスト8)
2002年…浦和学院★(3回戦敗退)
▲2003年…春日部共栄
2004年…浦和学院★(初戦敗退)
2005年…浦和学院
2006年…浦和学院
2007年…花咲徳栄
2008年…花咲徳栄
2009年…浦和学院
▲2010年…浦和学院★(初戦敗退)
2011年…浦和学院★(ベスト8)
2012年…花咲徳栄★(初戦敗退)
2013年…花咲徳栄
2014年…浦和学院★(ベスト4)
▲2015年…浦和学院
2016年…浦和学院
2017年…花咲徳栄
2018年…春日部共栄★(初戦敗退)
2019年…花咲徳栄★(1勝)
長らく続いた浦和時代。神奈川全盛期の2000年代は優勝まで1歩届かなかったが、入れ替わるように2010年代に3度の関東V。一方、花咲徳栄は2012年の浦和学院との関東決勝を皮切りに肩を並べる存在にまで躍進。まだまだ実績は浅いものの今後が期待される。第3勢力として2年前に関東準Vの春日部共栄/西武台/細田学園/昌平の躍進が近年著しいが、今年の成績を見る限りでは2強の域にはまだまだ遠いか。
【埼玉2位】選抜率25%
2000年…浦和実
2001年…花咲徳栄
2002年…花咲徳栄★(ベスト8)
2003年…埼玉栄
2004年…埼玉栄
2005年…春日部共栄
2006年…花咲徳栄
2007年…聖望学園★(準優勝)
2008年…川口青陵
2009年…花咲徳栄★(2回戦敗退)
2010年…春日部共栄
2011年…花咲徳栄
2012年…浦和学院★(優勝)
2013年…市川越
2014年…川越東
2015年…花咲徳栄★(初戦敗退)
2016年…花咲徳栄
2017年…市川越
2018年…東農大三
2019年…西武台
埼玉1位は浦和学院/花咲徳栄/春日部共栄の3校で埋まっていたが、2位は様々。埼玉Vが12度の浦和学院も準Vは1度といかに決勝の勝率が高かったか。関東決勝で花咲徳栄にリベンジした勢いそのままに選抜も制した。その他、初出場の聖望学園が選抜準Vの快進撃を果たすなど、実は選抜の成績は2位の方が良い。半面、近年経験の浅い高校は初戦敗退が多く、聖望学園に次ぐ存在の登場に期待したい。