Ropenの野球話

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【大阪】21世紀公立ベストナイン①

こんにちは。

今回からは近畿の府県別に公立限定のベストナインを組んでみたいと思います。ルールは①1校につき1大会のみ(春・秋は近畿大会/夏・秋は甲子園を含む)/②2001年の春大会から2020年の秋大会までを対象とする/③戦績のみならず印象に残った校も対象とする。以上の設定で組んでみたいと思います。

 

1…桜宮(2010年/夏)

・21年ぶりに大阪桐蔭が夏に土

2…箕面東(2008年/夏)

・全国制覇校を最も苦しめた存在

3…汎愛(2011年/春)

・16年ぶりに春の近畿大会へ

4…大冠(2017年/夏)

・猛打で甲子園へあと1勝

5…桜塚(2002年/春)

履正社を含め強豪を連破

6…寝屋川(2018年/春)

・あと1アウトで逃した金星

7…布施(2005年/秋)

・高い投手力で近畿王者に接戦

8…羽曳野(2008年/夏)

・単独チームの最後の夏で快進撃

9…山田(2020年/秋)

・26年ぶりに秋の近畿大会へ

 

【桜宮】府ベスト8

〇10-3 汎愛

〇5-2 大阪桐蔭

〇8-2 狭山

〇9-6 東海大仰星

●0-1 大体大浪商

「大阪で最も甲子園に近い公立校」を考える時に桜宮が1番手となる人は多いだろう。21世紀に限ると夏&秋でベスト8入りが計10回、春は2009年に履正社を破っての準優勝と公立屈指の実績を誇る。その中でこの大会をピックアップしたのは言うまでも無く大阪桐蔭への白星によるもので、1989年の四条畷以来となる公立校の勝利となった。ちなみに大阪桐蔭が21世紀に府内の公立校に敗れたのは、春夏秋含めてもこの試合だけである。この試合も含め初戦で汎愛にコールド勝ち/5回戦で東海大仰星に競り勝つなど投打に充実していたが、準々決勝で大体大浪商に惜敗し公立勢はベスト4に進めず。

 

箕面東】府ベスト4

〇10-0 茨木工科

〇9-2 汎愛

〇4-0 金光大阪

〇3-0 大冠

●1-2 大阪桐蔭

かつては2003年まで夏9連敗を喫していた校が2004年に一変し夏3勝。その後の10年間で夏ベスト8入りが5回と急成長を遂げた。特に2008年はベスト4入りし、準決勝で大阪桐蔭相手に延長戦にもつれ込む熱戦に。サヨナラ負けで決勝進出はならなかったが、汎愛/金光大阪/大冠と実力校が続いた3試合で計2失点は実力の証である。そして4年後の夏大会でも、4回戦で大阪桐蔭と当たり0-2の善戦。両年とも大阪桐蔭が選手権優勝を果たした事で箕面東との試合が再注目された。その2年後も、5回戦で大阪桐蔭と当たったがこの試合はコールド負け。この年を境に夏は6年間で1勝のみと再起を期待したい。

 

【汎愛】府準優勝/近畿初戦敗退

〇21-0 箕面自由学園

〇7-0 常翔啓光学園

〇9-2 高石

〇4-1 大塚

〇4-0 星翔

〇11-4 大商大高

〇7-4 大商大堺

●1-8 大阪桐蔭

●2-7 明石商

桜宮/大冠と並び立つ公立の雄。ここ5年で夏ベスト8入り2回と、近年も実力の高さを見せているがハイライトは2011年の春大会である。決勝までの7試合で計63得点の猛打を見せ、開催地の恩恵で大阪3枠の年に近畿大会出場を確定させた。しかし決勝では藤浪の前に3安打に抑え込まれ準優勝。近畿大会では明石商との公立校対決となったが、この試合でも中盤まで無得点と投打で噛み合わなかった。それでも1995年の市岡以来となる春の近畿大会出場の実績は、大阪の公立校に大きな影響を与えたことに違いない。注目される中で臨んだ夏大会は、2回戦で履正社にコールド負けと悔しい結果に。

 

【大冠】府準優勝

〇10-0 桜塚

〇13-1 緑風冠

〇8-4 東海大仰星

〇8-2 北野

〇3-2 大阪偕星

〇10-0 春日丘

〇3-1 上宮

●8-10 大阪桐蔭

4年前の夏の決勝は記憶に新しい人も多いだろう。元々創部4年目の夏で3勝+上宮に1点差の善戦と早くから頭角を現し、2008年の夏に初ベスト8/2015年の夏に初ベスト4と着実に力をつけていった。そして2017年の夏は、19年前の夏の準優勝校である桜塚に白星スタート。これが運命か、実力校続きの組み合わせも投打に充実感漂う戦いぶりで白星を重ね、桜塚以来となる夏決勝の舞台に立った。決勝の大阪桐蔭相手にも猛打で追い上げたものの、エースの疲労も響き惜しくも及ばなかった。その後、翌年の夏はベスト8/翌々年はベスト16と、毎夏安定した成績を残しているが強豪私立が壁となっている。

 

【桜塚】府ベスト4

〇7-1 美原

〇2-0 大冠

〇5-1 履正社

〇5-4 桜宮

〇4-2 東海大仰星

●0-11 大阪桐蔭

1998年の夏準優勝校として有名だが、1966年の夏も準優勝と古くから実績のある校である。2002年の春は序盤から強敵続きの組み合わせとなったが、接戦でも逆転を許さない高い投手力が際立ったベスト4進出であった。しかし、準決勝ではエースが大阪桐蔭に打ち込まれ完敗。迎えた夏も3回戦で金光大阪にコールド負けと繋げられなかった。その後は春夏秋とそれぞれでベスト8入りを経験し、特に2010年の夏は準々決勝で近大附に5-7と競り合った。しかし近年では3回戦までの敗退が続いており、再び大会終盤まで勝ち上がりたい。

 

【寝屋川】府ベスト8

〇5-4 箕面自由学園

〇5-0 港

〇7-6 大院大高

〇10-1 大商大高

〇7-0 刀根山

●4-5 大阪桐蔭

戦前に設立された伝統のある進学校であり、計3回の全国経験がある古豪。1950年代が全盛期で、その後は私立の隆盛に押されても今に至るまで上位をうかがう存在となっている。その中にあって、近年注目された2018年の春の準々決勝の試合。選抜を制し難なく春を勝ち上がってきた大阪桐蔭との一戦は、先制点を許すも8回に4点を取り4-1と逆転。裏で2点を返されるも1点リードで9回裏に突入し2アウトまで追い込んだ。しかし、失策から畳みかけられ逆転サヨナラ負け。大阪桐蔭はその後、春の大阪&近畿/夏の大阪&選手権と計4冠を掴み取り、寝屋川は夏ベスト8入りと注目の1戦を糧に躍動した。

 

【布施】府ベスト8

〇3-1 大阪青凌

〇7-0 山田

〇7-0 藤井寺

〇6-2 清教学園

〇6-1 泉尾工

●2-4 履正社

こちらも寝屋川同様に戦前に設立された校ではあるが全盛期は平成直前から。かつては1988年にPL学園を破っての夏ベスト4などと目立った活躍もあり、2000年を過ぎても安定した成績を残した。2005年の秋は、ベスト8までの5試合で4失点と崩れる事の無い試合を続け準々決勝へ。履正社相手に4失点と投手力の高さは健在だったが、打線は9回に2点を返すも及ばなかった。この6試合全体を通しての安定感が評価され、21世紀枠の府推薦に選ばれたが地区推薦には選ばれず。その後も2010年前後までは中位以上に名を連ねていたが、最近は初戦敗退も多く巻き返しに期待がかかる。

 

【羽曳野】府ベスト4

〇11-0 美原

〇7-5 富田林

〇5-3 上宮

〇10-3 阿倍野

〇6-5 三国丘

●6-18 PL学園

創部5年目で夏ベスト16入りと長きにわたって平均2勝前後を叩き出してきた校も、単独チームでの出場は2008年が最後。これまで夏ベスト8に名を連ねた事が無かったが、3回戦で上宮/準々決勝で三国丘と実力校に競り勝ち、最後の夏にベスト4入りを果たした。夏でPL学園との初対決となった準決勝では序盤から大差がつく苦しい展開に。それでも9回を戦い抜き6点を重ね、最後まで意地を見せた。翌夏は懐風館との連合チームで大会に参戦し、4回戦でまたもPL学園との再戦に。敗れはしたものの0-3と競った試合に持ち込んだ点に成長を感じさせた。2011年以降は併合となり懐風館の名で出場している。

 

【山田】府3位/近畿初戦敗退

〇7-5 桃山学院

〇不戦勝 清教学園

〇4-2 浪速

〇7-4 上宮

〇5-4 大産大附

●1-11 東海大仰星

〇2-1 履正社

●1-4 龍谷大平安

2020年の大阪を最も騒がせた校は、今年の大会にも大きな期待を寄せられている。とはいえ急に強くなった訳では無く、1993年の春にベスト4/1994年の夏にベスト16と早くから結果を残し続けてきていた中での快挙である。対戦相手がオール私立という組み合わせの中で、接戦をものにする野球が機能し準決勝へ。東海大仰星相手には崩れてしまったが3位決定戦の履正社相手に立て直し、先制点を許しても粘り強く最少失点に留めた事で9回の逆転を呼び込んだ。近畿大会でも龍谷大平安相手に1-4と健闘し、大阪待望の21世紀枠への期待も高まったが近畿推薦で落選。それでも2021年の成長が待ち遠しい。