Ropenの野球話

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【消えた神宮枠】21世紀枠の増枠?前年神宮優勝地区の増枠?代替案をまとめる。

こんにちは。

今日は来年1月に発表される「神宮枠の代案」が何になるかを色々な意見からまとめてみました。

 

21世紀枠の増枠(3枠→4枠)

◎地域の不平等がほぼ無い

◎推薦校に地区出場校が多い

▲4枠は流石に優遇しすぎ?

より多くの人が納得し地域不均衡が生じにくい案はこの案と思われる。例年であれば東日本1枠/西日本1枠/free1枠の計3枠であるが、ここに+1枠で計4枠となるとどういった枠の振り分け方になるのかが気になるところ。

 

東日本2枠/西日本2枠

東日本1枠/西日本1枠/free2枠

 

恐らくどちらかになると思われるが、均衡性を加味すると可能性が高いのは上であろう。今年は県推薦の時点でも地区大会出場校が多く、実力的には一般枠で選出される校と比較しても遜色ない4校を選べるのはメリット。これまでは実力的に一般枠とかけ離れた校が選出され選抜初戦で大敗を喫すケースも多かったが、今年の選出3校(帯広農/磐城/平田)の試合内容からすると、来年もその心配も無さそうだ。

 

ここまでの内容で増枠に対するデメリットは無いように思えるが、選抜32枠の中に21世紀枠を4枠(全体の1/8)割いてしまうのは過剰優遇という声もあるだろう。しかし選抜はあくまでも「招待」の意味合いが強いので、門戸を広くしてあらゆる校の可能性を拡充するのは理にかなっていると言える。よって、この案が採用される可能性はかなり高いのではないだろうか。

 

②前年神宮優勝地区の増枠(東海)

◎例年少ない東海2枠の補填に

加藤学園を例外にできるのか

×三重/岐阜第一は準決勝で大敗

例年よく言われている「東海2枠は少ない」の声に応えるなら、神宮枠をそのまま東海3枠目とする案もある。さらに去年の神宮優勝校である中京大中京が東海V2/県岐阜商が東海準V2と、来年の選抜もまたこの2校が当確である事から「3枠目で他校を」という思惑が強く働く可能性もある。

 

しかし、そうなると今夏の交流試合に「東海3枠目」で出場した加藤学園はノーカウントということになるのだろうか。もちろん神宮大会が中止となり優勝校を決められない以上、前年の優勝校の地区を増枠する事自体は容易ではある。ただ万人に納得がいく方法では無いだろう。そこで「常時2枠の不平等性」を理由とするなら、同様に東北/北信越にも増枠の権利があってしかるべきでは無いだろうか。

 

さらに問題となりそうなのが「東海3枠目に値する校を選ぶ事の難しさ」である。その理由はひとえに東海大会準決勝のスコアにある。三重は中京大中京にコールド負け/岐阜第一は県岐阜商に6-0の完敗と、両校とも増枠に値するだけの内容とは言い難い。あえて選ぶなら県1位で県被りの無い三重だが、上記にある東北/北信越の候補と比較すると大きく見劣りする。関根学園/柴田の未出場校勢、星稜/花巻東の実績勢が揃う2地区にあってどうしても東海3校目…という決め手がない。

 

21世紀枠未選出地区の増枠

21世紀枠との増枠被りを防げる

▲一般枠が多い地区は不利?

×地区比較は相当難しい

例年、枠を取り合う地区(東京と関東/中国と四国)では、21世紀枠/神宮枠/最終枠の被りを意識した選考は意外に少ない(関東6枠の年もあれば中国/四国4枠の年もある)。しかしそれは実力重視の選考結果であり、ほぼ無条件に与えられる増枠と21世紀枠を同地区に被せてくる事は考えにくい。地域の平等性を重視するなら、よりこの案の正当性は増すであろう。

 

ただ、その考えに基づくなら「一般枠が少ない地区から選びたい」となれば、一般枠の多い地区が増枠対象から弾かれる可能性もある。この考え自体が不平等そのものであるかもしれないが、例年にかけて枠数の少ない地区が優遇される分に理解を得やすいのは確かである。例えば、2枠→3枠/6枠→7枠となるのでは印象も大きく変わるであろう。

 

そして、この案の最大の問題は地区比較が必要という点である。地区によって対戦相手/試合数が違うのはもとより、神宮大会が無く地区レベルの比較が出来ないのは痛手である。例えば東海大相模(神奈川1位)は8勝1敗も地区大会では1勝止まり。花巻東(岩手3位)は9勝2敗と勝数で上回り地区大会で3勝。こういった比較を全地区の当落線上の校を対象に行う難しさは想像に難くない。

 

 ④希望枠復活

◎実力校を選出するには最適解

▲強打は評価されない

×地区格差と2位校が不利?

2003~2008年まで設けられた希望枠。直近4試合の被塁打/与四死球/失点/失策の4項目において、もっとも優れた補欠1位校をこの枠によって選出するというものである。選抜の一般枠の選考の際にも重んじられている「ディフェンス重視」の流れを汲むものであり、一般枠に限りなく近い実力校を選べる方法と言える。

 

それでもオフェンスを抜きにしてチーム力は語れないものであるが、希望枠ではその点が考慮される事は無い。いくら点を取れど守乱/投壊がスルーされる事は無く、選抜で勝ち抜く上で不利との判断が下る。

 

03 旭川実(32回/9失点)

04 秋田商(34回/5失点)

05 三本松(33回/9失点)

06 一関学院(35回/5失点)

07 大垣日大(34回/5失点)

08 一関学院(35回/7失点)

 

過去6年間に希望枠にて選出された校の一覧である。失点以外にも失策/四球/被出塁の項目があるのでこれだけでは不十分とはいえ、相当なディフェンス力を結果で示さなければならない事は間違いない。

 

そういった一面もあるので、希望枠が万能な制度という訳では無い。上記の6校はいずれも自地区の枠が少ない(北海道1/東北&東海2/四国2or3)事からも、枠の多い激戦地区の補欠1位が限りなく失点を抑えるのは相当難しい。加えて「直近4試合」という縛りも地区によって意味合いが違う。例えば東北の補欠1位はベスト4が大半でそこに行きつくまでに東北大会で2勝or3勝しているので、後者であれば東北大会だけで直近4試合は完結している事になる。これが近畿や関東となれば補欠1位はベスト8が大半となり、県大会2試合を直近4試合に含めないといけない。

 

旭川実…32回/5失点

柴田…35回/30失点

花巻東…36回/5失点

関根学園…35回/14失点

星稜…31回/8失点

東海大相模…32回/4失点

国学院栃木…35回/22失点

日大三…35回/10失点

三重…32回/8失点

龍谷大平安…35回/12失点

天理…32回/14失点

智辯和歌山…33回/12失点

鳥取城北…36回/23失点

米子東…39回/32失点

小松…39回/9失点

鳴門…29回/16失点

神村学園…32回/14失点

 

補欠1位の候補の直近4試合を羅列してみた。被塁打/与四死球/失策の項目を省いているが、失点項目では旭川実/花巻東/東海大相模の3校の数字が飛び抜けている。仮に希望枠復活となればこの3校の中からでは無いだろうか。