【地区大会】各地区の直近の逆転選出を辿る(前編)
こんばんは。
※この記事での逆転選出は北海道(ベスト4)/東北(ベスト4)/北信越(ベスト4)/関東(初戦敗退)/東京(ベスト4)/東海(ベスト4)/近畿(初戦敗退)/中国(ベスト8)/四国(ベスト8)/九州(ベスト8)以下で選出された場合を対象としています。
※不祥事での補欠当選を除く
【北海道】2005年(ベスト4/旭川実)
(準)北海道栄〇6-3●釧路江南
補欠1位…北海道栄〇/補欠2位…釧路江南
駒大苫小牧にマー君のいた時の選考で有名だが、決勝大差で圧勝し神宮大会も優勝した事で「神宮枠の2枠目をどうするか」が議論に。結果的には神宮優勝校に限りなくスコアで迫った点が評価されベスト4の旭川実が逆転選出。準優勝の北海道栄は補欠1位に落とされたものの、選考後に駒大苫小牧が選抜を辞退した事でこれまた繰り上げ選出。「2度の繰り上げ選出現象」が起こる珍しい年となった。しかし2校とも初戦敗退と、やはり駒大苫小牧に不祥事が無ければ…と思わずにはいられない。
【東北】2009年(ベスト4/花巻東)
(準)一関学院(岩手2位)〇3-2●利府(宮城1位)
決勝のスコアだけ切り取るならコールド点差でもなく、決勝2校そのままでも文句の無い選考のように感じる。しかし北海道がマー君なら東北は菊池と好投手の存在が波乱を生むようで、県大会決勝の勝敗も加味され花巻東がベスト4で逆転選出。聖光学院が補欠2位なのは利府が21世紀枠で選出され対象から除外されたため。好投手重視の選考は近年もあるものの、選抜で結果が出ないケースが多く批判も少なくはないが、花巻東は選抜準優勝となり逆転選出の代表的な成功例となった。
【北信越】2003年(ベスト8/福井)
(準)遊学館(石川2位)〇9-4●長野工(長野1位)
(準)福井商(福井3位)〇9-5●氷見(富山2位)
(準々)遊学館(石川2位)〇2-1●福井(福井1位)
1枠目…遊学館/2枠目…福井
補欠1位…福井商/補欠2位…氷見
基本的な逆転選出の理由は東北の事例と似たり寄ったり。優勝した遊学館には後の阪神希望枠で指名されるエース小嶋がいた事もこの選考に影響した模様で、優勝校とのスコアと直接対決を制した(県準決勝)のダブルパンチで福井が高評価を得た。しかし福井は初戦敗退/遊学館も広陵(この年の選抜優勝校)に3回戦敗退と奮わず。独特な選考も東北のように結果がついてこないと現代なら異論が噴出するであろう。なお氷見>長野工の評価は石川1位をコールド勝ちするなどの勝ち上がりが良かったため。
【関東】2007年(初戦敗退/宇都宮南)
(決)横浜(神奈川1位)〇3-2●慶応(神奈川2位)
(準)横浜(神奈川1位)〇11-2●水戸商(茨城2位)
(準)慶応(神奈川2位)〇3-1●聖望学園(埼玉2位)
(準々)横浜(神奈川1位)〇5-3●千葉経大附(千葉1位)
(準々)慶応(神奈川2位)〇4-2●宇都宮南(栃木1位)
(※)関東一(東京1位)〇9-5●国士館(東京2位)
1枠目…横浜/2枠目…慶応
5枠目…千葉経大附/6枠目…宇都宮南
基本6枠(関東+東京)に神宮枠の計7枠の振り分けで議論となったが、宇都宮南はスーパーシード(0勝)で他校より不利とされていた。しかし埼玉/茨城の2位校がベスト4に入ったことで花咲徳栄/霞ヶ浦より地域性の評価が高まり、惜敗した慶応が準優勝した事も大きかった。本来、関東6:東京1の配分だけでも異例だがその6枠目にスーパーシード校が入る事もまた異例である。しかし宇都宮南は初戦で完封負け。聖望学園が準優勝/千葉経大附がベスト4入りした事で何とか評価は中和されたか。
【東京】2010年(ベスト4/日大三)
(決)帝京(東京1位)〇13-1●東海大菅生(東京2位)
(準)帝京(東京1位)〇5-4●日大三(東京ベスト4)
(準)東海大菅生(東京2位)〇9-8●日野(東京ベスト4)
(※)東海大相模(神奈川1位)〇7-0●浦和学院(埼玉1位)
(※)東海大望洋(千葉2位)〇4-1●桐蔭学園(神奈川2位)
1枠目…帝京/2枠目…日大三
補欠1位…日野
関東の例と違い神宮枠が無いため計6枠の振り分け。内5枠は関東ベスト4+東京優勝で占めるため、残り1枠は通常であれば東京準優勝も対象になるが東海大菅生は決勝大差。関東ベスト8でコールド負けの2校を除く残り2校は、千葉商大附は0勝/桐蔭学園は東海大相模が関東王者になったため有力だったが2位通過が響いたか日大三が選出。帝京の力量を重んじた選考だったが、これが大正解。帝京はベスト8/日大三は準優勝と結果を出した一方で、関東は花咲徳栄の1勝のみに終わった。