【法則】学校評価抜きで近畿推薦に選ばれやすい法則を探してみた。
こんばんは。
昨日の記事の続きで兵庫/京都/滋賀編を書こうとしたのですが、とりあえず先にこちらをお題にします。2つ前の記事の補足記事になります。
まず21世紀枠での当選「3枠」に入る為には、その前に2府4県の府県推薦の中から近畿推薦に選ばれる必要があります。上記の記事にも書いたように府県推薦は基本的に「戦績重視」である事がほとんどです。戦績が覆るケースがあるとするならば「府県大会止まり1勝差で学校内容に大きな差がある」時です。2年前に近畿推薦を得た八尾は府ベスト16でしたが、この年の大阪で最も勝ち進んだ公立校は港(府ベスト8)でした。つまり府県大会レベルであれば戦績が確実なものとは言い切れないです。
では近畿推薦はどうでしょうか。仮に府県推薦と同様に戦績だけで決めるなら、毎年すんなり決まり世間的にも文句の少ない選考となるでしょう。しかし21世紀枠の定義からすると、戦績というよりかは学校評価(+αで進学実績)と地域性を重視しなければならず、近畿推薦も同様の傾向にあります。
下の表ではその年の近畿推薦校と府県推薦校の中から最も勝ち進んだ高校を紹介しています。
・上が近畿推薦校
・下が府県推薦校(最良戦績校)
・赤色は21世紀枠で選抜入り
・青色は一般枠で選抜入り
・▲は私立校
2001年…桐蔭(県ベスト8)
2001年…飾磨/八日市南(県ベスト4)
2002年…彦根東(近畿ベスト8)
2002年…彦根東/三木(近畿ベスト8)
2003年…橋本(県ベスト8)
2003年…▲大産大附(近畿初戦敗退)
2004年…耐久(県ベスト8)
2004年…彦根東(近畿初戦敗退)
2005年…桜井(県ベスト4)
2005年…▲三田学園(近畿初戦敗退)
2006年…県和歌山商(近畿初戦敗退)
2006年…県和歌山商(近畿初戦敗退)
2007年…県和歌山商(近畿初戦敗退)
2007年…県和歌山商(近畿初戦敗退)
2008年…畝傍(県ベスト8)
2008年…貴志川/守山北/乙訓(府県ベスト4)
2009年…彦根東(近畿初戦敗退)
2009年…塔南/彦根東(近畿初戦敗退)
2010年…向陽(近畿初戦敗退)
2010年…向陽(近畿初戦敗退)
2011年…守山(近畿ベスト8)
2011年…守山(近畿ベスト8)
2012年…洲本(県ベスト4)
2012年…立命館/石山/那賀(近畿初戦敗退)
2013年…堀川(府ベスト16)
2013年…一条/八日市/北条(県ベスト4)
2014年…海南(近畿初戦敗退)
2014年…八日市/海南(近畿初戦敗退)
2015年…桐蔭(県ベスト8)
2015年…奈良北(県ベスト4)
2016年…長田(県ベスト8)
2016年…▲阪南大高(近畿ベスト8)
2017年…洛星(府ベスト8)
2017年…高取国際/彦根翔西館(県ベスト4)
2018年…膳所(県ベスト8)
2018年…乙訓(近畿ベスト4)
2019年…八尾(府ベスト16)
2019年…南部/橿原(近畿初戦敗退)
2020年…伊香(県ベスト4)
2020年…奈良/伊香(県ベスト4)
府県推薦の中で最良成績校がそのまま近畿推薦校となったケースは(2002年/2006年/2007年/2009年/2010年/2011年/2014年/2020年)の8例と、戦績を覆されたケースの方が多いことがわかります。
加えて、2015年以降とそれ以前で明らかに意図の違う選考になっているように感じます。以前は最良戦績校がそのまま近畿推薦校となる事が多く分かりやすい選考と言えますが、2015年以降は近畿大会出場校が出ても伝統校が選ばれる選考が多くなってきました。2016年の阪南大高は私立が故に仕方ないように思えますが、同じく近畿大会出場の平城が落選/2018年の乙訓は一般枠確定のため他校に枠が行くのは分かりますが、近畿大会ベスト8の法隆寺国際が落選。この2例からも選考においてどの点に重きを置いているのかが変わってるという事が分かるかと思います。
そして最初の記事でも紹介した「地域性」が近畿選考において深く関わってきます。どれだけの影響があるのかを以下のデータから見ていきたいと思います。
・上が近畿推薦校
・下が一般選出校
・赤色は近畿推薦校と同府県
・青色は近畿推薦校と隣府県(阪神/京滋/奈和)
・★は選抜出場校
2001年…桐蔭
一般枠(南部/智辯学園)
2002年…彦根東
一般枠(平安)
2003年…橋本
2004年…耐久
一般枠(斑鳩)
2005年…桜井
一般枠(天理/市和歌山商)
2006年…県和歌山商
一般枠(智辯和歌山)
2007年…★県和歌山商
一般枠(×)
2008年…畝傍
一般枠(天理/智辯和歌山)
2009年…★彦根東
一般枠(福知山成美)
2010年…★向陽
一般枠(智辯和歌山/天理)
2011年…守山
一般枠(京都成章)
2012年…★洲本
2013年…堀川
2014年…★海南
2015年…★桐蔭
一般枠(天理/奈良大附)
2016年…★長田
一般枠(明石商/大阪桐蔭)
2017年…洛星
一般枠(滋賀学園)
2018年…★膳所
一般枠(近江/彦根東/乙訓)
2019年…八尾
一般枠(履正社/明石商)
2020年…伊香
一般枠(×)
1年あたりの近畿推薦校と同府県の平均選抜校数は0.65校(13/20)であり、隣府県も含めた平均選抜校数は1.55校(31/20)となっています。これらの数字が低ければ低いほど、近畿推薦には「地域性」で有利になります。
①一般枠で同府県から2校の場合ほぼ絶望的
一応、2013年/2018年と例外もありますが地域性を重視する21世紀枠において府県被り3校はかなり不利です。21世紀枠とは直接の関係は無いですが近畿特有の「3校ルール」も地域性の観点が重視されたルールですし、近畿はこの点がかなりシビアだと思います。
②一般枠で隣府県含め3校以上の場合ほぼ絶望的
一応、2018年が例外ではありますが①で書いたように地域性のバランスが悪くなるのを避ける傾向が強いので、ほぼ無いとみて良いと思います。ちなみに隣府県というのは大阪/兵庫・京都/滋賀・奈良/和歌山の事です。2府県で一つのグループとして校数が偏らないようにしているという感じです。
③一般枠で隣府県含め校数が少ないほど有利
特に同府県が少ないと更に有利になります(一般枠に同府県がいない例は9例)。最たる例は2012年の洲本であり、兵庫から一般校が出ない影響が大きかった事もあり近畿大会出場3校よりも評価が上回り近畿推薦されました。去年の伊香(滋賀・京都0校)と奈良(奈良・和歌山3校)も③の考えが反映されています。
以上、3つの考えをまとめて「地域性」として近畿推薦の選考に大きな影響を与えています。戦績ほどの絶対的な要素ではないにしろ、戦績のみで21世紀枠を予想してしまうとこういった要素が抜け落ちてしまい「なぜこの高校が?」と思う事も多いかと思います。地域性も含め色々な角度から見て総合的に選ばれるのが21世紀枠であり近畿推薦でもあるので、今年の近畿大会はちょっと違う角度で見てみても面白いかもしれませんね。