Ropenの野球話

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【大阪ベスト4】山田が残した隠れた快挙の数々とその先

こんにちは。

大阪大会ベスト4が出揃いましたね。Aブロックは東海大仰星/Cブロックは大阪桐蔭/Dブロックは履正社と皆さんが予想されていた面々が揃ったという感じでしょうか。とりわけ大阪桐蔭春夏連覇の代を凌ぐ勝ち方を見せているだけに次の履正社戦で夏のリベンジとなるか注目ですね。

 

さて、世間一般的には大阪桐蔭履正社の準決勝が夏同様「事実上の決勝戦」と思われる方も多いかと思います。その裏付けが過去三年間の大阪大会決勝のカードが大阪桐蔭履正社である事です。実績は言うまでもないですし、大阪大会の先をも見据えた戦いと位置づけられてもいい位のカードでしょう。もちろん新戦力の1年生にも注目が集まる事と思います。

 

では逆のカードはどうかといいますと、実は筆者はこちらのカードの方を楽しみにしています。Aブロックで本命の東海大仰星大阪桐蔭/履正社に劣らない戦力という前評判のままに勝ち上がってきました。強豪校がやや少なめのブロックという見立てもありましたが、特に6試合で失点8とディフェンス面が良い事からも相当いいチームだなと思います。近畿大会進出となればかなり久しぶり(2009年以来11年ぶり)ですので、あと2試合頑張って欲しいです。

 

そんな東海大仰星と準決勝で対するのはBブロック代表の公立校である山田です。山田高校と聞いてピンとくるのは大阪府民だけかもしれません。そもそも大阪の公立校自体が野球で知られる機会は他都道府県より少ないかと思うのでそれも仕方ないかと思います。ここ近年では大冠/桜宮などの実績組と北野/八尾などの進学校組は比較的知られる機会があったかと思いますが、今日の記事ではその両方にも属さない山田高校をメインにしたいと思います。

 

山田高校その①…大阪では12年ぶりの公立ベスト4

12年前の2008年は矢野監督の母校でお馴染みの桜宮高校がベスト4に進出しましたが、準決勝で金光大阪/3位決定戦で大阪桐蔭に敗れてしまい近畿大会出場とはなりませんでした。その時の戦いがこちら。

〇大正(10-0)

〇岸和田(17-0)

大商学園(7-0)

〇関西創価(2-0)

〇上宮(8-0)

金光大阪(0-9)

大阪桐蔭(3-5)

準々決勝までなんと無失点という私立顔負けの投手力を見せるも金光大阪戦で大崩れ。大阪桐蔭戦では接戦に持ち込むも惜しくも4位という結果に終わりました。続きまして今秋の山田の戦い。

桃山学院(7-5)

〇清教学園(不戦勝)

〇浪速(4-2)

〇上宮(7-4)

大阪産大附(5-4)

次戦…東海大仰星

次々戦(決勝or3位決定戦)…大阪桐蔭or履正社

山田は桜宮と違い公立として突き抜けた成績を残してきたわけでもありませんし、スポーツ校という訳でもありません。しかしながら今夏は12年ぶりのベスト32と力をつけ、強豪の金光大阪に敗れはしたものの9回まで戦い抜きました。その経験を活かし、対戦相手が私立オンリーの激戦Bブロックを接戦で勝ち抜いてきました。ちなみにBブロックは大阪桐蔭/履正社がいないとはいえ、大体大浪商/初芝立命館/関西創価/大阪産大附/金光大阪/桜宮/上宮/関大一と強豪校揃いでこのブロックを勝ち抜ける強さは確かなものです。

 

山田高校その②…大阪では26年ぶりの近畿大会進出に王手

そもそも大阪の公立校の知名度があまり上がらなかったのは26年もの間、公立校が近畿大会に進出する事が無かったのも一因です。今年の東播磨を初め、近畿1府4県では過去3年間に1校は公立校を近畿大会に送り出していますが大阪は26年間も空白なのです。ちなみに26年前は市岡が大阪2位で近畿大会に進出、そのまま近畿大会でも1勝し選抜に選ばれています。山田高校が今後2戦の内1勝すれば26年ぶりの快挙という事になりますし、その後の近畿大会では選抜を目指す戦いが続いていきます。

 

山田高校その③…大阪では初の21世紀枠での選抜可能性

山田高校の歴史自体はそんなに長くありません。学校が出来たのが1984年で創立30年余りの高校になります。そして偏差値的には躍進目覚ましい東播磨とほぼ似たような数字で、進学実績もそこそこあります。偏差値と歴史だけで比較するものではありませんが2年前に近畿推薦を得た八尾の方が今年は府推薦かなと思っていました。しかし今日の2校の試合差で山田の方が選ばれるかもとなるだけの価値ある1勝をあげました。もちろんベスト4が久しぶりというのもありますが、学校的にも良い学校なので選んで欲しいなという個人的な思いもあります。

 

そもそも大阪の21世紀枠は無味透明に近いものとして考えられています。府選出校のほとんどが近畿大会に進出出来てないこと/大阪桐蔭履正社がほぼ常時選抜に選ばれることで21世紀枠を大阪に割けない/土地的に21世紀枠が似つかわしくないといった理由から2年前の八尾まで近畿推薦すら大阪に回ってくることはありませんでした。先ほど紹介した2008年の桜宮も過去に甲子園出場していること/スポーツ校であることを敬遠され近畿推薦はされませんでした。山田はこの2点に接触してない事と2年前の八尾より勝ち進んでいる事がプラスになってくるかと思います。

 

では他府県の21世紀枠のライバルはどこになるでしょうか。本命は既に近畿大会進出を決めている東播磨になるでしょう。勝ち上がりも良く投手力のある点をアピールできているのは大きいかと思います。対抗は近畿推薦された経験のある畝傍となりそうです。今秋はベスト4まで進出し次勝てば近畿大会という所まで来ていますが、今年は奈良2校のため準決勝での敗戦は許されません。次の天理戦でどのような試合内容になるかが大いに注目されることと思います。

 

上記2校の存在を考えると山田は近畿大会に出場して東播磨と同じ土俵に立てないと厳しいかな…という印象です。しかし、ここまで勝ち上がり近畿大会に進出するチャンスを得る事さえ大阪では大変な事ですので後2試合良い試合が見れたらいいなという思いです。

 

以上です。

ベスト4入りおめでとうございます!