Ropenの野球話

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【地区大会】(府/県)1位通過ってどれだけ有利?【北海道/東京/東北/関東編】

こんにちは。

先日までの4連休に優勝校がちらほら出始めましたね。もちろん優勝=選抜入り(北海道と東京を除く)という訳では無いのですが、地区によっては2位/3位通過の高校より1試合少なかったりベスト8でも2位/3位校が頑張る事で選抜の可能性が高まるなどといった様々な「特権」があります。今回はその特権を地区ごとに分け、選抜率も踏まえながら「どの地区がより1位通過の恩恵を受けられるか」を考えていきたいと思います。

 

まずは例外の北海道/東京都を先に書きます。

【】の下の数字は過去10年間の選抜入り回数の内訳

 

【北海道】

1位…10/10

2位…1/10(神宮枠)

①優勝で確定

②準優勝で補欠(試合内容次第ではベスト4から補欠が出ることも)

③神宮枠が与えられた場合は準優勝が2枠目

21世紀枠+神宮枠で3枠になった例は無し

 

【東京】

1位…10/10

2位…4/10

①優勝で確定

②準優勝で関東ベスト8のチームと試合内容で比較し優れば2枠目

③例え神宮枠が与えられても3枠になることはない(2枠確定)

④1枠の時は準優勝/2枠の時はベスト4から試合内容が良い方を補欠

21世紀枠で3枠となった例は無し(この時は必ず一般枠が1校のみ)

 

この二地区は比較的シンプルで分かりやすいかと思います。異なるのは準優勝チームの行方ぐらいですね。神宮枠が無いと2枠目が絶望的な北海道/神宮枠があれば2枠確定(関東代表が優勝しても2枠濃厚)な東京に大きな差があります。ただ枠要素が神宮枠しかない北海道とは違い、21世紀枠の有無/東京大会決勝&関東大会ベスト8の試合内容の比較など東京の枠要素は関東との兼ね合いもあり複雑で度々議論の的となっています。以下は2010年~2019年の東京大会決勝10試合です。

 

2010年…〇日大三 4-0 国学院久我山

日大三が神宮優勝

2011年…〇関東一 2-0 帝京●

2012年…〇安田学園 2-1 早稲田実

2013年…〇関東一 7-6 二松学舎大附●

※小山台がベスト8で21世紀枠にて選抜入り

2014年…〇東海大菅生 3-2 二松学舎大附●

2015年…〇関東一 4-3 二松学舎大附●

2016年…〇早稲田実 8-6 日大三

2017年…〇日大三 11-5 佼成学園●

2018年…〇国士館 4-3 東海大菅生

2019年…〇国士館 6-0 帝京●

 

赤字は準優勝で選抜入りした高校です。ここで大切になってくるのが僅差の試合であるという事と偶数年に選抜入りの傾向がみられるという事です。この2点を踏まえると2018年の東海大菅生はなぜ落選したのか?(対抗の横浜が準々決勝でコールド負けだったが選出されたのはなぜか)という疑問が浮上し、実際に当時のネットでどちらがふさわしいか荒れた経緯があります。横浜の選ばれた理由としては…

①この年の関東王者であった桐蔭学園に県大会で圧勝し神奈川1位

投手力が重んじられる選抜において及川という好投手の存在

この2点と上記の赤文字2点の比較でどちらを重んじるかで東海大菅生/横浜に対する見方が変わってくるかと思います。ちなみに桐蔭学園神宮大会初戦でコールド負けしたので、そういういきさつも合わさって東海大菅生が落選した時に疑問の声が噴出したのかなと個人的には思っています。

 

以上の2018年の選抜入り議論も含めて東京の枠決めは荒れることが多く、翌年の2019年に帝京が完敗で準優勝だった時もスコア的には厳しくても古豪であること/3年連続で東京が1枠となる可能性が微妙と考えて帝京を推してた人は一定数いました。これからも毎年のように東京の枠決めは色々な意見が出てくることになるでしょう。

 

【東北】6県の1~3位校が出場(計18校)

県1位…21/60(35%) 21世紀枠(1校)

県2位…6/60(10%) 21世紀枠(3校) 絆枠(1校)

県3位…5/60(8%) 21世紀枠(3校)

①優勝/準優勝でほぼ確定

②神宮枠でベスト4の2校の試合内容を比較し優る方が3枠目

③基本2枠+神宮枠+21世紀枠の最大4枠まで可能性あり

④補欠は基本ベスト4から

⑤1位通過は準々決勝まで他県の1位と組まれない

⑥3位通過は1試合多い(vs他県の3位)or初戦(vs他県の1位)の可能性大

 

1位/2位通過は2試合勝てばベスト4なのに対して3位通過は可能性として3試合勝たないとベスト4になれない可能性がある他、そうでなくても初戦を他県の1位通過の高校に当てられてしまうため一般枠での選抜出場例は2校しかありません。

 

2015年…青森山田(青森3位)→優勝

2017年…日大山形(山形3位)→ベスト4

 

以上の2校ですが、青森山田は4県の1位校を破って優勝/日大山形は2県の1位校に完封勝ちと相当なハンデな中で勝ち進む事の難しさを感じます。また日大山形は記念大会で枠数が増えた恩恵もありましたし、基本2枠の東北で2位/3位校が選抜入りすることは容易ではありません。したがって県1位通過の恩恵は過去の例からも大きいと考えます。

 

【関東】7県の1~2位校と開催県の3位校が出場(計15校)

県1位…31/70(44%)

県2位…15/70(21%)

県3位…1/10(10%)

①ベスト4に入ればほぼ確定

②5枠目は準々決勝の敗戦内容が最も良い校と東京準優勝校を比較

③神宮枠で最大6枠まで可能性あり

④開催県の1位は準々決勝からの出場で初戦が必ず他県の2位と当たる

⑤開催県の3位は初戦で必ず他県の1位と当たる

⑥(④スーパーシード)の選抜率は5/10(50%)とかなり高い

⑦スーパーシード以外の1位に恩恵は薄い(初戦で1位と当たらな)

 

去年の関東王者である健大高崎が群馬3位であった事はかなり話題となりましたが、同じく群馬の県王者であった桐生第一はスーパーシードとして関東大会1勝で選抜に選ばれました。この2校の結果に関東の特徴が詰め込まれています。

 

2010年…浦和学院(埼玉1位) 優勝

2011年…東海大甲府(山梨1位) ベスト8

2012年…前橋育英(群馬1位) ベスト8

2013年…霞ヶ浦(茨城1位) ベスト8

2014年…木更津総合(千葉1位) 準優勝

2015年…浦和学院(埼玉1位) ベスト8

2016年…作新学院(栃木1位) 優勝

2017年…東海大相模(神奈川1位) 優勝

2018年…東海大甲府(山梨1位) ベスト8

2019年…桐生第一(群馬1位) ベスト4

 

スーパーシード校一覧です(赤文字は選抜/青文字は補欠)。未勝利でも3/5で補欠に入りますし1勝すればほぼ選抜入りです。上記の高校は実力校揃いでありシードが無くとも優勝できる実力はありますが、実力校揃いの関東大会において1試合少なく1勝すれば当確というのは通常の組み合わせの時より精神的に大きく変わってくることかと思います。

 

ではスーパーシード以外の1位校にとって大きな恩恵は何になるでしょうか。それは関東に5枠/6枠目が与えられた時にベスト8で敗退しても選抜の選考で有利に傾く事です。実際にベスト8で敗退し選抜入りした例は7回(過去10年間)ですが、実に6回は1位校によるものです。

 

2010年…前橋育英(群馬1位)●5-8

2011年…横浜(神奈川1位)●2-6

2013年…横浜(神奈川1位)●3-5

2017年…国学院栃木(栃木1位)●2-3

2018年…横浜(神奈川1位)●2-9

2019年…花咲徳栄(埼玉1位)●1-2

 

6回の内訳です。基本的に僅差であれば選ばれやすいですが東京準優勝校とのスコアの兼ね合いもあるので、僅差でも落選することはしばしばです(4年前の慶応は神奈川1位で1点差ながら落選)。その為あくまでも参考程度のデータではありますが、1位校が選考において優位である事を知るには十分だと思います。 以上のような優位に立てる要素も踏まえた上で、1位校の選抜出場率は2位を大きく引き離しています。激戦区の関東であるからこそ、まずは県大会を制して選抜の可能性を大きく広げていきたいですよね。