Ropenの野球話

このブログは高校野球/プロ野球/メジャーリーグなど野球全般のお話をさせて頂く中で読者の方と共に野球を楽しんでいけたらと考えています。コメントには必ず返信させて頂きます。更新頻度(0:00/6:00/12:00/18:00)の中からランダムに1週間に1回は更新します。よろしくお願いします。

今季FA取得予定選手まとめ(投手編)

こんにちは。

 

今日から二回に分けて今季FA取得予定選手を紹介していきます。

今日は投手編です。

※成績は9/16時点

× 防御率 登板 QS 勝利 ホールド セーブ 投球回 奪三振 whip 年俸
大野 雄大 2.59 13 9 5 0 0 93.2 88 0.94 1億3000万
小川 泰弘 3.15 13 10 8 0 0 85.2 65 1.12 9000万
今村 猛 6.75 5 0 0 1 0 4 1 1.5 8000万
増田 達至 1.93 28 0 2 0 19 28 21 0.93 1億9000万
松永 昂大 0 5 0 0 3 0 3.1 3 1.8 7500万
辛島 航 5.56 16 0 0 2 1 22.2 11 1.63 6200万
塩見 貴洋 4.46 12 6 4 0 0 68.2 49 1.17 3000万
海田 智行 14.54 6 0 0 2 0 4.1 4 2.08 4150万

松永までがBランク/残りの選手はCランクです。

一人ずつ寸評を入れていきます。

 

大野 雄大

・貴重な左腕イニングイーター

奪三振率も高く、味方の守備に左右されにくい

・今季の6試合連続完投含め、過去の故障歴と併せて疲労が心配

今年のFAの目玉であり、FAを抜きにしても6試合連続完投の記録が色濃く残る投手ですね。過去にシーズン200イニングを投げた左腕という意味では、杉内以来の大物ではないでしょうか(杉内は200イニング未達)。ただ杉内と比べると年単位の成績に波があり、2年前の大乱調含め複数年継続して活躍するというのは難しいかもしれません。現状では地元柄から阪神/菅野が抜ける穴埋めとして巨人の名前があがってますが、実績と年齢的に西の契約(4年10億)に近い提示を中日ができるかという所が焦点になってくると思います。

 

小川 泰弘

・年俸1億に届かなくとも長年エースを務めた良コスパな選手

・今季ホーム防御率4.06かつチームが守備難と移籍リスクが少なめ

・大野よりイニング/奪三振が少なく西のように試合を作るタイプ

今年の数字はキャリアハイの1年目に近い数字で、尚且つ年俸が9000万とどのチームでも補強リストに入れられるリーズナブルさが魅力です。過去の成績がオリックス時代の西とよく似ており、短期の離脱は多いものの100イニングを下回ったシーズンは無く、上手くはまれば今の西に近い成績が出てもおかしくはありません。爆発力の大野/低リスクの小川といった感じでしょうか。ヤクルトの人脈が強く先発ローテが不安定な楽天/大野が流出した場合に穴を埋めたい中日/ローテの軸が欲しい横浜も候補でしょうか。個人的には3年6億+αぐらいの契約になるかなと思います。

 

今村 猛

・広島3連覇を支えた実績十分なセットアッパー

・長期離脱からの復活劇を再び実現できるか

・年齢はまだ20代も勤続疲労を考えるとフル稼働は厳しいかも

今年の登板数が未だに5と残留が既定路線ではありますが、中継ぎとしての実績は指折りで通算登板数は430(現役11位)と20代では現役トップの数字を残しています。また広島3連覇の3年間だけで178登板と中継ぎ/抑えでフル回転し、優勝に大きく貢献した選手でもあります。最も3連覇の年は防御率5.17と疲労が色濃く、奪三振率も全盛期と比較すると年々下がってきています。過去にも2011~2013の3年間で180登板⇒2014~2015の2年間で39登板と長期離脱を経験しそこから這い上がった経歴を持っていますので、2度目の復活に期待したいです。

 

増田 達至

・チーム事情に合わせてセットアッパー/抑えと何でもこなす実力者

・ここ2年のK/BBは7を超えるハイクオリティな投球を披露

・今年は奪三振率が大きく落ち込み不調だった2017年と同じ傾向も

クローザー受難な今年において安定感という意味では増田がNo.1ではないでしょうか。その最大の長所は制球力であり、28登板で四死球がわずか4しかなく余計なランナーを溜めない投球が出来ています。ただ奪三振率が6点台と大きく落ち込み、不調だった2017年に次ぐ数値に留まっており中継ぎとしては見過ごせない変化となっています。ここまで大きな離脱もなく400登板を突破した32歳と考えると、元々高年俸なのも合わさって手を出す球団は限られてくるのではないでしょうか。西武に精通している楽天含め、予算的に余裕のある球団が中心となりそうです。

 

松永 昂大

・プロ1年目から昨年まで7年連続40登板と安定した成績

・今年は長期離脱も逆に安価で獲得できる?

・1年目以外は登板数>投球回と、1イニングを任せるには不安も

安定した成績を積み重ねてきた社会人ドラ1という意味では増田と似ている松永(同年入団)ですが、FA年に初の長期離脱となってしまい大型契約を得られにくくなっている状況です。ただ増田と比べると通算登板数/イニングも少なく、32歳とはいえ1イニング起用でなければあと数年は活躍してくれる選手だと思っています。加えて増田より安価でそこまで値上がりしないことを考えると、中継ぎの薄い球団が手を出しやすい選手ではないでしょうか。去年の奪三振率/whipがキャリアハイであることも魅力の一つです。

 

辛島 航

・去年まで3年連続100イニング&防御率4.2以下と裏ローテを支える

・高いwhipと低い奪三振率で綱渡りの投球

・今年は不調で中継ぎ起用がメイン

プロ4年目に8勝&防御率2.53とブレイク、優勝年には活躍できなかったものの翌年に初の規定投球回を果たすなど高卒ドラ6としてはかなりの早さで1軍の舞台で活躍しました。しかしブレイク年以外は防御率3.5以上と一皮むける事ができず、先発平均5イニングと中継ぎへの負担が大きかったこともあり、昨年途中から先発&中継ぎ型としてチームに貢献しています。去年までの貢献もあり年俸が大きく上がりましたが今年は不調でFAのアピールはできず。来年に復調して欲しい選手です。

 

塩見 貴洋

・規定2回の実績/平均防御率3点台の安定感で3000万は破格

・今年は推定100イニング超えも防御率がやや高め

・2016年を境に70イニング以上の年は無し

同じチームの辛島とは異なり、こちらはFAでも手を上げる球団が出てきそうな今年の成績となっています。1年目から防御率2点台&規定到達と大車輪の活躍でしたが、規定到達はこの年と2016年の2度のみ。中継ぎ登板が通算でも5試合しかなく、基本先発としての役割を期待されながらも毎年離脱が続いています。それ故に年俸も3000万とFA選手にしては格安で手を出しやすい選手ではありますが、常に離脱と隣り合わせの選手だけに多くのリターンを望むのは難しいでしょう。今年はほぼ離脱無く投げられていますが防御率は4点台半ばなのも、年中の活躍の難しさを感じさせます。

 

海田 智行

・去年は55登板で防御率1.84と一線級の活躍

・年毎の成績の振れ幅が激しく年齢も33歳と計算しにくい

・通算奪三振率&whipが平均以下で去年のレベルに戻せないと厳しい

不調&長期離脱でFAというには遠い存在となってしまいましたが、去年1年間の実績はどこも欲しがる好成績でした。去年は49イニングで13四死球と制球良く打たせて取るタイプで守備の良いチームでより生かせる投手ですが、その反面通算被打率.265と少しでも制球が落ちると怖い一面もあります。今年はその落とし穴にはまったような形となってしまいましたが、今村同様に長期離脱から復活した経験があり年齢的には厳しくなってきてはいますがその再現に期待しています。

 

以上、8選手の紹介でした。

今季の成績的に残留が濃厚な選手も多くいますが、コロナ禍の特別なシーズンで怪我/不調による投手不足が顕著になった今年の12球団のチーム状況を踏まえますと、手を上げるかは別として補強したい!と考える球団/ファンの声は大きいのではないでしょうか。