Ropenの野球話

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バスターエンドランという戦術

こんにちは。

 

パリーグ編のMVP記事を書く前に、昨日の試合で話題となっている「バスターエンドラン」の賛否について個人的に書いていこうかと思います。最初に言っておきますと僕自身は、あの場面でのバスターエンドランは100パーセント無いというのは早計かなぐらいの気持ちです。筆者は阪神ファンという訳では無いので、あの1プレイで勝敗が決した事を贔屓チームの置き換えて考えますと「おいおい」となりますが、それとは別に意図としては分からなくもないけどマストでは無いかなという心境です。

 

場面は7回表 阪神の攻撃(無死1.2塁)で打者は梅野 投手は高梨

一塁走者は近本/二塁走者は途中から出場の小幡

どちらも俊足の走者ですね。あなたが監督ならどうしますか?

 

①犠打で一死2.3塁の形を作り、糸原/サンズで同点狙い

多くのファンがこれを予想したことだと思います。梅野が併殺打の多いタイプであるということ/糸原の確実性なら四球で繋ぎ満塁でサンズ、あるいは犠牲フライやゴロで最低限1点を取ることが想像されますよね。ネックなのは、梅野の打率を殺して2人のランナーを返したところで同点どまりだということです。これはホームとビジターの違いと、絶対に勝つしかない巨人戦であったということの2点が念頭にあったことで矢野監督は①を選択しなかったんだと思います。同点だと裏が有利/俊足2人だから打たせても併殺打になる確率は低いと踏んでいたのでしょう。

 

②梅野に普通に打たせて繋いでもらい、糸原/サンズで逆転狙い

前述したように、梅野は併殺が多いタイプであるが故に二死3塁となればそれこそ批判の的となったことでしょう。しかしながら、梅野は打率.287と打って繋ぐ期待が持てる数字ではあります。また制球の定まらない高梨相手ですからじっくり粘れば四球の可能性も大いにあったという事を考えれば、バントで1アウトを相手を与え落ち着かせるよりも効果的かもしれません。そのため高梨の制球が安定していたら①がマスト、制球が不安定なら②もありかなぐらいの感覚です。

 

③梅野に代打で陽川を出して押せ押せムードを作る

梅野は今年の成績で、得点圏打率.239/巨人戦の打率.139と昨日のような場面には弱い数字が出ています。ましてや前2打席では連続してショートゴロに終わるなど、普通に打たせるのが不安になる今日の打席内容であったことは確かです。もし①のようにバントという選択肢がなくて、打つことに関して確率を高めるなら好調の陽川に託すという選択肢もあったかもしれません。控え捕手がいなくなる(緊急捕手として中谷を出せる)/坂本だとリリーフ陣の壁役としては不安という問題はありますが、7回を勝負所と定め手を打つなら②よりも③の方が意図としては分かりやすいかと思います。

 

④バスターエンドラン(矢野監督)

昨日の一手になります。①は1アウトを取らせることで投手が落ち着くかもしれない/②は併殺になるリスクがそこそこ高い/③は捕手が梅野でなくなることへの不安があるということで、これらの不安点をすべて打ち消す策が「バスターエンドラン」だったということになるんだと思います。バスターでヒットゾーンを広め、エンドランで併殺の確率を大幅に下げ、最低でも一死2.3塁/上手くいけば1点入り無死1.3塁になることが想像できますね。それを比較的バットに当てるのが上手い梅野なら…と矢野監督は考えていたと思いますが、皆さん書かれてるように高梨の制球が悪かったことが成功確率を下げた⇒わかっててやるのはどうなんだという疑問を抱かせてしまいましたね。

 

以上のようにバスターエンドランの利の部分だけを見れば「どうしたいのかという意図」は理解できますけど、投手が制球難であるということの空振りリスクを考慮して強行したのか、巨人戦の対戦成績が奮わないことへの焦りがあったのか。どちらにしてもファンが納得できる作戦でなかったことは確かですね。