Ropenの野球話

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【近畿大会】18校トーナメントの3年間&選抜を紹介。

こんばんは。

今日も近畿大会の選考について。

 

現在、近畿大会は大阪&兵庫は3校固定/滋賀&奈良は奇数年に3校(偶数年に2校)/京都&和歌山は偶数年に3校(奇数年に2校)の計16校となっており、シードは無く4勝すれば優勝となっています。過去のトーナメント制度は以下の通り。

 

①1955年~1976年

・計12校

・各府県2校

・4校がシード(1位優先)

・6~7枠の変動制

 

②1977年~1980年

・計14校

・各府県2校+大阪/兵庫の3位校

・2校がシード(1位優先)

・6~7枠の変動制

 

③1981年~1983年

・計18校

・各府県3校

・4校が1試合多い(2/3位優先)

・基本7枠固定

 

1984年~1990年

・計14校

・各府県2校+大阪/兵庫の3位校

・2校がシード(1位優先)

・基本7枠固定

 

⑤1991年~2000年

・計16校

・現在の校数制度

・シード無し

・基本7枠固定

 

⑥2001年~

・計16校

・現在の校数制度

・シード無し

・基本6校固定

 

そして今回は③の3年分の選考について詳しく紹介していこうと思います。近畿大会と選考は年が違うので、1年ずれてるのをご留意ください。

 

・茶色はベスト16(1勝)

※は翌年の選抜成績

 

・1982年(阪神2/京滋2/奈和3)

【選抜校一覧】

①★箕島(和歌山1位)〇7-5(桜)

※ベスト8●0-1 PL学園

②★桜宮(大阪1位)●5-7(箕)

※初戦敗退●1-4 中京

③★PL学園(大阪2位)●2-3(箕)

※優勝〇15-2 二松学舎大

④★西京商(京都2位)●3-6(桜)

※初戦敗退●1-3 早稲田実

⑤★瀬田工(滋賀3位)●2-7(箕)

※初戦敗退●0-11 明徳

⑥★郡山(奈良2位)●0-5(桜)

※ベスト8●3-8 二松学舎大

⑦★大成(和歌山2位)●1-7(桜)

※2回戦敗退●0-1 中京

「公立決勝」はこの年が最後。選抜初出場を確実にした桜宮/3年前に春夏連覇を果たした最強公立の呼び声高い箕島の一戦は箕島に軍配。ベスト4ではこれまた選抜初出場を確実にした西京商/前年の近畿を制したPL学園という新鋭校/実力校の構図に分かれた。しかし選抜では実力校が存在感を発揮。桜宮/西京商は初戦で実力校に当たる不運もあり敗退したが、箕島vsPL学園は準々決勝まで勝ち上がり直接対決に。この試合を制したPL学園が優勝まで勝ち進んだ。郡山は近畿ベスト16での選出で不安視されたが、選抜ではベスト8まで勝ち進み実力を証明した。

 

【その他一覧】

①▲洲本(兵庫1位)●1-3(耐)

②▲比叡山(滋賀2位)●0-3(PL)

耐久(和歌山3位)●1-4(西)

智辯学園(奈良1位)●1-5(PL)

宇治(京都1位)●0-5(瀬)

近江(滋賀1位)●2-3(大)

三田学園(兵庫2位)●0-5(比)

洛星(京都3位)●2-7(箕)

村野工(兵庫3位)●4-6(郡)

奈良工(奈良3位)●0-2(西)

春日丘(大阪3位)●0-8(PL)

選考ではベスト4までが順当に4枠。5枠には地域性から滋賀勢を入れる上で比叡山と瀬田工の比較がなされたが、初戦/準々決勝の対戦相手などから瀬田工に。6枠はこれまた地域性から奈良勢で唯一1勝をあげた郡山。5/6枠と地域性が重んじられた選考となった。この時点で3校初戦敗退の兵庫勢の姿が無く7枠目で洲本も検討されたが、初戦で敗れた耐久が選考ラインに残っており逆転選出は難しいと判断され落選。ベスト8の耐久と大成の同県比較となった。ここでは県大会での直接対決の勝敗も加味されたか、大成が選ばれた。選抜で兵庫0校の年は初めてである。

 

・1983年(阪神4/京滋2/奈和1)

【選抜校一覧】

①★泉州(大阪2位)〇9-1(立)

※2回戦敗退●1-5 享栄

②★立命館(京都3位)●1-9(泉)

※初戦敗退●1-2 桜美林

③★長浜北(滋賀1位)●1-5(泉)

※初戦敗退●2-4 東北

④★上宮(大阪1位)●2-3(立)

※2回戦敗退●1-7 明徳

⑤★星林(和歌山1位)●3-5(立)

※初戦敗退●0-2 佐世保

⑥★高砂南(兵庫3位)●0-4(上)

※初戦敗退●3-12 享栄

⑦★報徳学園(兵庫2位)●3-4(星)

※2回戦敗退●0-1 佐世保

優勝した泉州は初選抜。今の近大泉州であるが当時はほぼ女子生徒という異色の高校でもある。初戦で翌年の選手権優勝校となる取手二を破り、嬉しい初白星も手にした。準優勝の立命館は25年ぶりの選抜。ベスト4の長浜北も初選抜/上宮も2年前の選抜ベスト4とはいえ3度目の選抜と、比較的目新しい面々となった。しかし、7校がベスト8に残る事は無く敗退。枠の多さを考えると非常に厳しい結果である。佐世保工/享栄がそれぞれ2勝ずつあげたが、この2校もベスト4に残れなかった事を考えると近畿全体のレベル向上に課題を残す年となった。

 

【その他一覧】

①▲吉備(和歌山3位)●1-5(泉)

②▲新宮(和歌山2位)●1-6(長)

京都西(京都1位)●1-2(泉)

智辯学園(奈良1位)●3-4(立)

三田学園(兵庫1位)●1-6(吉)

広陵(奈良2位)●0-4(泉)

山城(京都2位)●0-6(上)

彦根東(滋賀2位)●0-10(報)

大産大高(大阪3位)●1-3(長)

二階堂(奈良3位)●1-4(新)

栗東(滋賀3位)●1-3(高)

選考ではベスト4までが順当に4枠。5枠目以降は1勝をあげた和歌山3校/兵庫2校と、地域性◎の智辯学園の6校で計3枠を取り合うことに。まず和歌山の県大会にて吉備/新宮を下して優勝した星林が抜きんでて5枠。同様に兵庫の県大会にて強豪校を制した実力が加味され高砂南が6枠を得た。残る4校の内、去年の兵庫の例もあり地域性だけで推すには0勝では物足りない智辯学園がまず落選。最後に判断材料として使われたのは県レベルの差と県大会の試合数。兵庫2位はこの2点で和歌山勢を上回ると判断され、報徳学園が選ばれた。去年兵庫0校の反動もあったか。

 

1984年(阪神3/京滋2/奈和2)

【選抜校一覧】

①★PL学園(大阪1位)〇7-1(京)

※準優勝●0-1 岩倉

②★京都西(京都1位)●1-7(PL)

※2回戦敗退●1-10 PL学園

③★和歌山工(和歌山1位)●3-5(京)

※初戦敗退●2-4 都城

④★智辯学園(奈良1位)●4-7(PL)

※初戦敗退●3-9 拓大紅陵

⑤★私神港(兵庫1位)●2-9(京)

※2回戦敗退●1-3 都城

⑥★高島(滋賀2位)●0-3(和)

※初戦敗退●4-17 佐賀商

⑦★三国丘(大阪2位)●2-4(私)

※初戦敗退●5-6 日大三島

去年、近畿大会未出場に終わったPL学園が選手権優勝を経て戻ってきた。選抜でも3試合で34得点の猛打で夏春連覇も見えてきたが、残る2試合で1得点と打線が沈黙し惜しくも準優勝に終わった。それでも、残る近畿6校がベスト8に残れなかったことを考えると「近畿はPL1強」の印象をさらに強めた。近畿勢から2勝をあげた都城は、準決勝でPL学園に0-1に迫る近畿キラーぶりを見せた。初出場勢では、京都西は嬉しい選抜初勝利/高島は苦い大敗/三国丘は9回までリードもサヨナラ負けで惜しくも初勝利ならず。全体としては、去年同様に近畿の戦績は伸びなかった。

 

①▲近大附(大阪3位)●2-11(PL)

②▲花園(京都2位)●3-5(近)

明石商(兵庫2位)●2-7(智)

長浜(滋賀1位)●0-7(近)

畝傍(奈良2位)●5-7(高)

桐蔭(和歌山2位)●4-5(花)

市川(兵庫3位)●1-3(和)

柴野(京都3位)●0-8(PL)

天理(奈良3位)●3-10(京)

耐久(和歌山3位)●2-10(三)

八幡商(滋賀3位)●1-10(明)

選考では決勝2校と準決勝で接戦の和歌山工が3枠。もう1校のベスト4である近大附は府/近畿大会とPL学園に対して2試合23失点の大敗が問題視され、選抜確定ラインから外された。4~6枠は、PL学園に3点差の試合内容が評価された智辯学園が4枠。コールド負けながら兵庫1位が評価された私神港が5枠。5枠までにいない滋賀勢の中から1勝をあげた高島が6枠となった。7枠は1勝した校の中で、花園は近大附に敗れたため落選/明石商は同県の私神港の戦績が伸びず落選。三国丘は府大会でPL学園に0-1の接戦の内容が近大附を上回ると判断され7枠となった。

【近畿大会】初戦敗退/コールド負けで選抜入りの経緯から得る知識【後編】

こんばんは。

昨日の続きになります。

 

ropen1205.hatenablog.com

 

ここから6枠時代へ。

 

・2002年…大体大浪商(コールド負け)

①★報徳学園(兵庫1位)〇5-3(金)

②★金光大阪(大阪1位)●3-5(報)

③★平安(京都1位)●2-8(報)

④★智辯和歌山(和歌山1位)●3-6(金)

⑤★三木(兵庫2位)●1-5(金)

⑥★大体大浪商(大阪2位)●1-8(報)

①▲郡山(奈良1位)●1-8(智)

②▲彦根東(滋賀3位)●0-10(平)

1枠~4枠までベスト4に4府県の1位校が揃った。しかし準々決勝4試合のうちの3試合はコールドと選考を悩ませる事に。その中で唯一コールド負けしなかった三木が5枠。6枠は初戦敗退校も含めて議論されたが、報徳学園に1点差の天理(奈良3位)/金光大阪に1点差の育英(兵庫3位)は県順位で評価を逆転させるには至らず。結局、実力重視で大体大浪商となった。地域性◎の郡山との差は、対戦相手の勝ち上がりが大きかったか。

 

・2003年…近大附(初戦敗退)

①★平安(京都3位)〇6-3(智)

②★智辯和歌山(和歌山3位)●3-6(平)

③★斑鳩(奈良1位)●3-4(平)

④★東洋大姫路(兵庫3位)●0-9(智)

⑤★近江(滋賀1位)●5-7(平)

⑥★近大附(大阪1位)●2-4(東)

①▲南部(和歌山1位)●4-5(斑)

②▲育英(兵庫1位)●1-2(東)

ベスト4に3位校が3校の波乱、選考ではそれ以上の波乱となった。上記に無いベスト8の校は箕島(和歌山2位)で、同県の智辯和歌山に敗戦/南部との比較で落選した。残る3校の中で地域性◎の近江はすんなり5枠。この5枠までに大阪の姿が無い異例の事態に。大阪3校はいずれも初戦敗退で南部/育英も県1位&1点差と内容は申し分無く、初の大阪0校が濃厚であった。しかし「大阪1位+地域性」の恩恵は大きく、まさかの近大附が6枠。

 

・2007年…県和歌山商(初戦敗退)

①★報徳学園(兵庫1位)〇5-1(大)

②★大阪桐蔭(大阪1位)●1-5(報)

③★市川(兵庫2位)●5-9(大)

④★北大津(滋賀2位)●0-7(報)

⑤★北陽(大阪2位)●0-5(報)

⑥★県和歌山商(和歌山1位)●3-5(北)

①▲近江(滋賀1位)●6-13(大)

②▲東洋大姫路(兵庫3位)●6-7(北)

5枠の北陽までは順当。北陽は5点差も報徳学園との対戦で力量ありと判断された。上記のベスト8で唯一名の無い智辯和歌山(和歌山2位)は市川にコールド負け。初戦の8失点を含め投手力に欠けるとされ落選した。東洋大姫路は1点差も兵庫3校目の地域性で同じく落選。6枠は近江の他に初戦敗退校の郡山(奈良1位)と報徳学園に1点差の熊野(和歌山3位)の名も出たがいずれも決め手に欠け、地域性◎&県順位で抜きんでた県和歌山商に。

 

・2009年…報徳学園(コールド負け)

①★天理(奈良1位)〇1-0(PL)

②★PL学園(大阪1位)●0-1(天)

③★金光大阪(大阪2位)●6-7(天)

④★福知山成美(京都1位)●2-3(PL)

⑤★箕島(和歌山3位)●4-7(天)

⑥★報徳学園(兵庫1位)●0-7(PL)

①▲東洋大姫路(兵庫3位)●0-2(福)

②▲大阪桐蔭(大阪3位)●2-3(金)

①◎彦根東(滋賀2位)●4-6(東)

決勝/準決勝の計3試合が1点差と実力伯仲の4校は文句無し。5枠を選ぶ上で、まず大阪3校目の大阪桐蔭が落選。残るベスト8に兵庫2校という事で、まず地域性◎/天理に善戦した箕島が選ばれた。6枠は兵庫2校の比較となり、どちらも実力校だけに県大会での直接対決を含め細かく比較された。報徳学園はベスト8の中で唯一のコールド負けも、相手がPL学園という事もあり点差はあまり考慮されず。県順位の優位性もあり選ばれた。

 

・2016年…市和歌山(コールド負け)

①★大阪桐蔭(大阪2位)〇3-2(滋)

②★滋賀学園(滋賀3位)●2-3(大)

③★明石商(兵庫1位)●3-5(大)

④★龍谷大平安(京都1位)●1-8(滋)

⑤★智辯学園(奈良1位)●4-9(大)

⑥★市和歌山(和歌山1位)●0-7(明)

①▲報徳学園(兵庫2位)●0-1(滋)

②▲阪南大高(大阪3位)●0-7(龍)

①◎長田(兵庫ベスト8)

4枠まで奈良/和歌山の姿は無し。5枠以降は地域性が重んじられた選考となった。まず大阪桐蔭との試合で力量を買われ、地域性◎の智辯学園が5枠。残るベスト8の3校の内、阪南大高は県順位も含めてコールド負けが響き落選。市和歌山は地域性◎&県順位で上回るもコールド負けが痛い。となれば報徳学園が自然と残るが、21世紀枠に長田が選ばれた事で「兵庫3校目」という扱いになり、市和歌山が優先的に選ばれた。

 

・2017年…高田商(コールド負け)

①★履正社(大阪2位)〇8-2(神)

②★神戸国際大附(兵庫1位)●2-8(履)

③★滋賀学園(滋賀1位)●3-6(履)

④★大阪桐蔭(大阪3位)●3-5(神)

⑤★智辯学園(奈良1位)●4-6(大)

⑥★報徳学園(兵庫2位)●0-1(滋)

⑦★高田商(奈良2位)●0-7(履)

①▲和歌山東(和歌山1位)●8-9(高)

②▲上宮太子(大阪1位)●3-11(神)

神宮枠により久々の近畿7枠。神宮優勝の履正社を含め、ベスト4は高いレベルの校が揃った。5枠は地域性◎の智辯学園/6枠は残るベスト8の中で、準々決勝の試合内容で報徳学園が抜きんでた。高田商/上宮太子は両校ともコールド負けで初戦敗退校も7枠争いに絡んだが、地域性◎の和歌山東&東山(京都1位)は対戦相手がベスト8止まり。決め手に欠いたため大阪3校目の上宮太子を落選させると、消去法で高田商が残った。

【近畿大会】初戦敗退/コールド負けで選抜入りの経緯から得る知識【前編】

こんばんは。

昨日の記事の補足版になります。

ropen1205.hatenablog.com

近畿は選考のあれこれを知るには最適な地区といえます(枠の多さ/地域性重視などの点から)。そこで今日は近畿の選考の歴史を辿り、より深く選考について知っていきたいと思います。

 

※平成以降を対象

 

【7枠時代①】

・~1991年

・府県1位(2校)がシード

・大阪&兵庫は3校/残り2校で固定

 

・1989年…八幡商(初戦敗退)

①★尼崎北(兵庫3位)〇6-4(報)

②★報徳学園(兵庫2位)●4-6(尼)

③★近大附(大阪1位)●2-3(尼)

④★日高(和歌山1位)●3-6(報)

⑤★上宮(大阪2位)●6-8(尼)

⑥★京都西(京都1位)●2-6(近)

⑦★八幡商(滋賀1位)●2-3(尼)

①▲片桐(奈良1位)●4-16(報)

②▲高島(滋賀2位)●2-3(報)

ここに書かれてないベスト8の1校は東洋大姫路(兵庫1位)。決勝が兵庫対決だった事から「兵庫勢のレベルが高い」事は明白ではあるが、0勝(シード)&地域性により脱落。ベスト4の4校は順当/ベスト8から優勝校に善戦した上宮/地域性で京都西と6枠までは納得の決定。残るベスト8の片桐は地域性◎だが大敗/東洋大姫路は上記の理由もあり初戦敗退校も含めての選考となったが、同じく地域性◎で優勝校に1点差の八幡商に収まった。

 

・1991年…奈良(初戦敗退)

①★天理(奈良1位)〇3-1(神)

②★神戸弘陵(兵庫2位)●1-3(天)

③★大阪桐蔭(大阪1位)●0-1(天)

④★箕島(和歌山1位)●2-5(神)

⑤★三田学園(兵庫1位)●0-3(箕)

⑥★浪速(大阪3位)●0-4(天)

⑦★奈良(奈良2位)●1-4(天)

①▲鳥羽(京都1位)●0-2(神)

②▲市和歌山商(和歌山2位)●2-3(神)

2年前同様、ベスト8で兵庫3番手の報徳学園(兵庫3位)は地域性&県順位が決め手となり落選。ベスト4の4校は安泰/報徳学園との比較で上回った三田学園と、初戦敗退の近大附(大阪2位)との比較で上回った浪速がそれぞれ5枠&6枠。最終枠は地域性&県順位の鳥羽(シードのため0勝)と優勝校に善戦した奈良の争い。結果的に、公立進学校の特色も評価に加味された奈良が勝ち取った。今でいうところの21世紀枠に近い選考でもあった。

 

【7枠時代②】

・1992年~2001年

・現行のトーナメント(シード無し)

 

・1992年…東山(初戦敗退)

①★天理(奈良1位)〇8-6(上)

×上宮(大阪1位)●6-8(天)

②★村野工(兵庫1位)●1-7(天)

③★PL学園(大阪3位)●1-3(上)

④★南部(和歌山1位)●3-4(天)

⑤★日高(和歌山2位)●0-4(上)

⑥★神戸弘陵(兵庫2位)●1-3(PL)

⑦★東山(京都1位)●3-4(神)

①★育英(兵庫3位)●0-2(村)

②▲瀬田工(滋賀2位)●1-2(天)

ベスト4が順当…の前に上宮が辞退した為、3枠が確定。残り4枠となりベスト8から4枠が順当に…ともいかなかった。まず地域性◎/県順位で南部は文句無し。南部と同県の日高が5枠/神戸弘陵は育英との比較(兵庫2校目)で上回り6枠となった。この時点で育英が兵庫3校目となる為、地域性で落選。初戦敗退校の中から、京滋が0校&府順位の評価で東山が最終枠となった。落選した育英も神戸弘陵の選抜辞退により繰り上がり当選に。

 

・1993年…智辯学園(初戦敗退)

・1993年…川西明峰(初戦敗退)

・1993年…上宮(コールド負け)

①★東山(京都1位)〇5-3(南)

②★南部(和歌山1位)●3-5(東)

③★北嵯峨(京都2位)●4-9(南)

④★八幡商(滋賀1位)●1-8(東)

⑤★上宮(大阪1位)●4-11(東)

⑥★川西明峰(兵庫1位)●1-2(京)

⑦★智辯学園(奈良2位)●4-7(東)

①▲北陽(大阪3位)●2-6(南)

②▲明石(兵庫2位)●4-5(八)

ベスト8の残り2校は京都成章(京都3位)と市尼崎(兵庫3位)。前者は京都3校目の地域性で落選し、後者は同県の川西明峰との比較で八幡商にコールド負けが響き落選した。ベスト8から2校が落選した分、代わりに初戦敗退校から2校選出のサプライズ。川西明峰は先述した京都成章に敗れながらも兵庫1位が効き6枠。智辯学園は優勝校に3点差&地域性◎で最終枠となった。5枠の上宮はコールド負けも北陽との比較で優った。

 

1995年…市岡(コールド負け)

①★PL学園(大阪1位)〇9-1(神)

②★神港学園(兵庫1位)●1-9(PL)

③★育英(兵庫3位)●0-4(PL)

④★伊都(和歌山1位)●1-3(神)

⑤★郡山(奈良2位)●2-6(神)

⑥★報徳学園(兵庫2位)●4-6(PL)

⑦★市岡(大阪2位)●6-13(伊)

①▲智辯和歌山(和歌山2位)●2-5(育)

②▲浪速(大阪3位)●3-4(伊)

まず目に付くのは兵庫3校目の報徳学園が6枠である事。ここまでの選考で府県3校目は必ず落選していたが、実力重視ならPL学園に2点差と文句は無い。しかし急激な選考の路線の変化に疑問符も。5枠目は地域性◎の郡山となり、7枠は市岡と智辯和歌山の争いに。近畿大会の結果だけなら市岡が不利だが、府県レベルの差で実力は智辯和歌山より上と考え市岡が選ばれた。ただ「大阪の公立校」の要素抜きに選ばれたかは微妙。

 

2000年…智辯和歌山(初戦敗退)

①★育英(兵庫1位)〇3-2(鳥)

②★鳥羽(京都1位)●2-3(育)

③★上宮太子(大阪1位)●3-7(鳥)

④★東洋大姫路(兵庫3位)●0-1(育)

⑤★東海大仰星(大阪3位)●0-2(上)

⑥★智辯和歌山(和歌山1位)●1-3(東洋)

⑦★橿原(奈良2位)●2-6(鳥)

①▲高田商(奈良1位)●1-7(東洋)

②▲上宮(大阪2位)●2-11(育)

5枠目から揉めまくりの選考に。まずベスト8の大阪2校の比較で優った東海大仰星が5枠/上宮は府順位で優るもコールド負けが響き落選。残るベスト8は奈良2校で両校当選もあり得たが、大阪2校と同様にどちらかを落とす事に。その分の枠が初戦敗退校の中から地域性◎で高い実力を持つとされた智辯和歌山に回り6枠。7枠で奈良2校の比較で優った橿原が選ばれた。高田商は県大会で橿原を下すも落選したのは不憫な気も。

【選考】なぜ落選?を積み上げていくと確たる理由となる。

こんにちは。

昨日は記事を上げられず申し訳ないです。

 

今日は選考の色々な落選理由をまとめてみました。確かなものから、えっ?と思うものまで色々あるからこそ予想する楽しさがあります。選手/学校からするとなるべく分かりやすい当落理由であって欲しいと思うところですが…

 

・比較校が複数投手制

重要度★

選抜(選手権も同様)は後半になるにつれて1試合毎の感覚も短くなるため、昔のようにエース1枚で乗り切る事への世間の風向きは厳しい。球数制限も提唱される現代だけに1人の投手に依存していた高校よりかは、複数枚の投手を起用していた高校の方が好意的に見られやすいのは確かである。ただ、それが選考に絡んできても微々たるものでしかない。それも投手が複数枚いるというだけではダメで、柱となる投手がいるのが前提。

 

・大会での試合態度/学校評価

重要度★

最低限の節度を持った言動/プレーを心がけていれば、余程の事が無い限りこの点が考慮されて選考に響くことは無いし、学校評価も同様である。21世紀枠では最も重んじられる要素の一つではあるが、一般枠はあくまでも実力重視。もちろん部の不祥事となれば話は別で、真っ先に選考対象から外される覚悟も。そうで無くとも、試合中の言動/プレーが悪質と判断された場合には選考で切り捨てられる例もある。

 

・比較校に好野手の存在

重要度★

好投手と比べると好野手は軽視されがち。やはり試合の安定感が求められる選考で、強打をアピールしたくても失点が多いと特に目に付くのは後者の方である。なので大会である程度の失点に留めている事が前提として、プロ注目レベルの野手がいると「選抜の目玉として出したい」という思惑が働く事があるかもしれない。最も、高校野球において目玉となり得る選手は今も昔も「投手が中心」である。

 

・大会失点数/得点数(3/5/6枠)

重要度★

2枠の地区では基本的に決勝進出校が選出されるので、重要度は無いに等しい(4枠の地区もベスト4が基本なので同様)。しかし、関東/近畿/中国/四国では優先度は低いものの選考の材料になり得る。特に大会を通じて失点の多いチームを選考では避ける傾向にある為、投壊はなるべく防ぎたい。貧打は投壊と比べると不問となりやすい。いずれにしても投打でバランスの良いチームであることに越したことはない。

 

・シード校(関東/東海/四国)

重要度★

※四国は★★

※関東は★★★★★

2枠の東海は決勝進出2校の選出が基本な為、シード校への影響は無い。3枠の時もある四国は選考で県1位(シード)校の方が基本は有利だが、ノーシードで準決勝まで2勝が必要(四国は1勝が必要)な中国との比較になる為、相手も県1位だと不利になる事も。関東は大会開催県1位校に与えられるスーパーシードにより、初戦の時点でベスト8の選考圏内。しかし何点差だろうが0勝での選出は1例しかなく、増枠が無い限りは絶望的。

 

・比較校が公立/甲子園未出場

重要度★★

どうしても選考の決め手に欠ける時に考慮される要素の1つ。選抜は選手権と違い「学校を招待する」意味合いが強く、初顔や公立校(一部を除く)は選考で重んじられやすい傾向にある。しかし、その他の不利な要素をひっくり返すほどではない。21世紀枠でも同傾向の学校を招待できるため、無理に一般枠で選ぶ必要が無いからである。あくまでも、比較校と競っている時の要素の1つに過ぎない。

 

・比較校に好投手の存在

重要度★★

2年前の横浜がコールド負けした時に選考理由となり得た好投手の存在。プロ注目レベルの投手の登板で観客増/失点の少ない好試合が多くなるという「期待先行型」の評価を得て選出される事がたまにある。菊池がいた時の花巻東はベスト4/最速153kmの平生がいた時の宇治山田商は初戦敗退で逆転選出されており有名。ただ、好投手だけで選ばれるほどの選考はほぼ無く、決勝~準々決勝でコールド点差の試合が多いのが前提。

 

・同一県に決勝で大敗(2枠)

重要度★★★

今年の柴田が最たる例で、2枠の地区は決勝大敗で準優勝校が落選するケースががある。特に決勝が「同一県かそうでないか」の差は大きく、前者だと「地域性の観点」で準優勝校よりも他県ベスト4校が優先される事も。県1位であれば落選の心配は無いが、特に県大会と地区大会で同じ相手に2度の敗戦を喫した場合は評価の差し引きが大きい。ただし、比較校が準決勝で優勝校に対して接戦で無ければ順当に選ばれる。

 

・確定戦で同一県に敗戦(3/5/6枠)

重要度★★★★

確定戦とは「勝てば選抜確定ラインに乗る試合」のこと。2枠は決勝2校/4枠はベスト4の4校が基準なので、3枠(中国/四国)と5枠(関東)と6枠(近畿)が対象。例えば、関東や近畿なら準々決勝で同一県の校に敗れると、接戦であっても地域性の観点からほぼ落選(敗れた校の方が県順位が上なら勝った校の勝ち上がり次第)となる。選考の際に落とす理由としては明確である為、これが決定打で落選するケースも多い。

 

・同一県で21世紀枠選出校

重要度★★★★

一般枠を狙う当落線上の高校からすると、同一県の21世紀枠候補の存在は無視できない。基本的に「一般枠と21世紀枠は棲み分けている」とされているが、実際は被らないように「二者択一」の選考が多い。その最たる例として、同一県の長田が21世紀枠で選出された報徳学園(1点差)が市和歌山(コールド負け)より評価が下回ったケースもある。やはり地域性のバランスを強く意識すると、純粋な実力選考とはいかない。

 

・対戦校が次試合で大敗

重要度★★★★★

対戦校が勝ち上がるほど選考ライン校の評価は上がる(優勝で最大評価)。但し、対戦校が同一県の場合はより一層の勝ち上がりが求められる。裏を返せば、対戦校が次試合でコールド負けでもしようものなら相当厳しい立場となる。理不尽な話かもしれないが、その対戦校に敗れた校の力量が低いとされてしまうのが一般的。近畿/関東は準決勝進出時点で選抜確定ラインなため、対戦校が大敗しないか心臓に悪いものである。

 

・比較校の同一県の確定校が0(近畿)

重要度★★★★★

近畿では、大阪/兵庫は各1校ずつ。(京都+滋賀)と(奈良+和歌山)で各1校ずつは最低選出する傾向が強く、2003年の近大附/2007年の県和歌山商が初戦敗退で選出されたのもこれが理由。特に近大附に関しては準々決勝1点差の育英(兵庫1位)を押し出しての選出と、限りなく選考に好要素が揃う立ち位置でも「地域性」1つで落選してしまうのが近畿の怖いところだ。21世紀枠で地域性の穴埋めをするケースも多い。

 

・同一県に選抜確定校がいる

重要度★★★★★

計32個しかない選抜の椅子を同県で何個も陣取らないように配慮するためには、当落線上の高校を「地域性」の観点で振るい落とすのが一般的。例外もあり、県大会で下した相手が地区大会でより勝ち進んだ場合は、逆に選考で評価をあげる事もある。逆に同一県が選抜確定ラインの早い段階で大敗するほど「県レベルが低い」と判断され、選考において不利になる事もある。当選理由にも落選理由にもなり得る要素だ。

 

・県順位

重要度★★★★★

シードの有る地区を除いて、選考では1位校が絶対的な優位を得る。多少の点差/対戦相手の勝ち上がりで比較校より劣勢であっても、県順位の優位でひっくり返せるだけの要素となっている。裏を返せば落選理由の多くは「県順位が低い」事である。特に3位校はどんなにいい試合をしても厳しい。それでも、比較校の県順位も低い/コールド負け/地域性の不利などにより「消去法」で選ばれるケースも少なからずある。

 

・3校ルール(近畿)

重要度★★★★★

全国最多の6枠を抱える近畿ならではのルール。近畿では「同一府県から一般枠3校を出場させる事」は出来ない。地域性の偏りを防ぐ選抜の特色が強く反映されたルールである。例えば選抜確定のベスト4に同府県2校が進出した時点で、残り1校は準々決勝で1点差だろうが選考で真っ先に落選する。過去には大阪桐蔭/東洋大姫路などの有名校もこのルールで涙を飲んでいる。府県順位が1位/好投手がいようが影響しない。

 

・コールド負け(決勝は点差)

重要度★★★★★

選抜確定ライン以外でのコールド負けはあまりにも選考にとって痛い。特段の理由が重ならない限りは挽回不可である。2年前の横浜のように、好投手/県大会で下した相手が地区大会優勝などの好要素が重なれば少しは可能性も膨らむ。また、近畿では5枠目までに同一県の校がいない際にコールド負けでも最終枠で選ばれる事がある。例え、選抜確定ラインでもコールド負けで落選(近年だと創成館)の例もあるので要注意。

【21世紀③】天理の20年をまとめる。

こんにちは。

大阪版の続きです。

ropen1205.hatenablog.com

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まずは天理から。

 

赤…優勝

青…準優勝

緑…ベスト4(〇は3位)

紫…ベスト8

※…独自大会

 

【春(県)】優勝4/準優勝2

2001年 ●智辯学園(2-9)

2002年 ●高田商(1-10)

2003年 〇智辯学園(6-4)

2004年 ●片桐(5-10)

2005年 ●智辯学園(4-5)

2006年 ●登美ヶ丘(8-10)

2007年 〇智辯学園(8-5)

2008年 ●智辯学園(4-8)

2009年 ●奈良大附(0-6)

2010年 〇登美ヶ丘(17-3)

2011年 〇郡山(8-3)

2012年 ●智辯学園(4-13)

2013年 ●奈良朱雀(2-5)

2014年 ●智辯学園(5-9)

2015年 ●高田商(4-6)

2016年 ●智辯学園(4-6)

2017年 ●奈良大附(6-8)

2018年 ●智辯学園(0-10)

2019年 ●郡山(2-10)

 

【春(近畿)】優勝1/準優勝1

2003年 ●近江(3-4)

2007年 ●立命館(2-3)

2010年 ●北大津(3-6)

2011年 〇大商大堺(3-2)

 

【夏(県)】優勝10/準優勝3

2001年 ●高田商(7-12)

2002年 ●智辯学園(2-12)

2003年 〇郡山(8-3)

2004年 〇高田商(5-1)

2005年 〇広陵(7-2)

2006年 〇法隆寺国際(4-3)

2007年 ●智辯学園(9-13)

2008年 ●奈良大附(1-7)

2009年 〇郡山(7-2)

2010年 〇智辯学園(14-1)

2011年 未出場

2012年 〇畝傍(13-6)

2013年 ●奈良大附(4-12)

2014年 ●智辯学園(6-8)

2015年 〇大和広陵(8-1)

2016年 ●智辯学園(5-6)

2017年 〇奈良大附(2-1)

2018年 ●奈良大附(9-10)

2019年 ●大和広陵(9-11)

2020年 〇奈良大附(6-4)

 

【夏(選手権)】

2003年 ●聖望学園(3-7)

2004年 ●東海大甲府(3-10)

2005年 ●国士館(3-7)

2006年 ●熊本工(3-5)

2009年 ●長野日大(6-7)

2010年 ●履正社(1-4)

2012年 ●大阪桐蔭(1-8)

2015年 ●創成館(2-3)

2017年 ●広陵(9-12)

 

【秋(県)】優勝9/準優勝3

2001年 〇斑鳩(7-0)

2002年 ●斑鳩(5-6)

2003年 ●高田商(2-9)

2004年 〇高田商(22-3)

2005年 〇高田商(13-6)

2006年 ●郡山(5-7)

2007年 〇奈良大附(9-2)

2008年 〇桜井(11-1)

2009年 〇郡山(15-4)

2010年 ●智辯学園(0-3)

2011年 〇一条(5-1)

2012年 〇大和広陵(5-1)

2013年 ●奈良朱雀(1-2)

2014年 〇奈良大附(6-3)

2015年 ●平城(3-5)

2016年 ●奈良大附(2-5)

2017年 ●法隆寺国際(7-13)

2018年 〇郡山(15-2)

2019年 〇奈良(2-1)

2020年 〇智辯学園(8-2)

 

【秋(近畿)】優勝4/準優勝1

2001年 ●報徳学園(5-6)

2002年 ●育英(1-6)

2004年 ●神戸国際大附(4-5)

2005年 ●智辯和歌山(1-5)

2006年 ●大阪桐蔭(0-6)

2007年 ●智辯和歌山(5-6)

2008年 〇PL学園(1-0)

2009年 ●神戸国際大附(3-5)

2010年 〇履正社(2-1)

2011年 ●智辯学園(3-4)

2012年 ●大阪桐蔭(1-8)

2014年 〇立命館宇治(8-4)

2018年 ●龍谷大平安(3-4)

2019年 〇大阪桐蔭(12-4)

2020年 ●大阪桐蔭(4-11)

 

【春(選抜)】

2005年 ●愛工大名電(2-5)

2008年 ●沖縄尚学(2-4)

2009年 ●早稲田実(3-4)

2010年 ●敦賀気比(4-7)

2011年 ●北海(0-1)

2012年 ●健大高崎(3-9)

2015年 ●健大高崎(1-3)

2020年 ※●広島新庄(2-4)

 

【年別ランキング】

1位…2010年(優勝3/準優勝1)

選抜…初戦敗退

春(県)大会…優勝

春(近畿)大会…初戦敗退

夏(県)大会…優勝

選手権…初戦敗退

秋(県)大会…準優勝

秋(近畿)大会…優勝

 

2位…2012年(優勝2)

選抜…初戦敗退

春(県)大会…ベスト4

春(近畿)大会…未出場

夏(県)大会…優勝

選手権…ベスト8

秋(県)大会…優勝

秋(近畿)大会…ベスト8

 

3位…2005年(優勝2)

選抜…ベスト8

春(県)大会…2回戦敗退

春(近畿)大会…未出場

夏(県)大会…優勝

選手権…初戦敗退

秋(県)大会…優勝

秋(近畿)大会…ベスト8

 

4位…2004年(優勝2)

選抜…未出場

春(県)大会…ベスト8

春(近畿)大会…未出場

夏(県)大会…優勝

選手権…ベスト8

秋(県)大会…優勝

秋(近畿)大会…ベスト4

 

5位…2017年(優勝1)

選抜…未出場

春(県)大会…ベスト4

春(近畿)大会…未出場

夏(県)大会…優勝

選手権…ベスト4

秋(県)大会…ベスト4

秋(近畿)大会…未出場

 

【大阪】山田/桜宮/大冠/汎愛…公立校の躍進をまとめる【後編】

こんばんは。

昨日の続きです。

 

ropen1205.hatenablog.com

 

昨日の公立校の羅列の中から「ベスト4以上」の成績を残した大会をピックアップし、詳しく紹介していきたいと思います。

 

【春(府)】

2002年 桜塚(ベスト4)

(〇7-1)美原

(〇2-0)大冠

(〇5-1)履正社

(〇5-4)桜宮

(〇4-2)東海大仰星

(●0-11)大阪桐蔭

大冠が2017年に夏大会決勝に進出した時、その前に公立校で夏大会決勝に進出したのがこの桜塚である。1998年夏に準優勝を飾り名を轟かせると、2002年春にも快進撃を見せた。対戦相手を見ても分かる通り今でも強い実力校が並ぶ。中でも履正社を破った数少ない府内の公立校である。夏も続けて好成績を期待されたが、3回戦で前年秋の近畿大会準優勝校である金光大阪にコールド負け。少し実力校に当たるのが早かったか。

 

2009年 桜宮(準優勝)

(〇12-2)大商学園

(〇6-1)鳳

(〇8-0)大塚

(〇12-4)高槻

(〇3-2)大産大附

(〇3-1)履正社

(●2-8)PL学園

惜しくも近畿大会出場を逃した秋からの成長を春で見せた。中盤まで3試合のコールド勝ち/準々決勝以降は強豪私立相手に接戦をものにした。特に長く壁であった履正社からの勝利は期するものがあったはず。秋に敗れた大阪桐蔭が準決勝で敗退、勝ったPL学園が決勝の相手となった。しかし中盤以降で突き放され、2大会連続で近畿大会に1歩届かず。更に、夏は3回戦で履正社にリベンジされ早い幕切れとなってしまった。

 

2011年 汎愛(準優勝)

(〇21-0)箕面自由学園

(〇7-0)常翔啓光学園

(〇9-2)高石

(〇4-1)大塚

(〇4-0)星翔

(〇11-4)大商大高

(〇7-4)大商大堺

(●1-8)大阪桐蔭

秋は大商大堺にコールド負け。冬を越えて投打での成長を見せた。序盤3試合のコールド勝ちを含む、準々決勝までの5試合で45得点/3失点と完璧な勝ち上がり。準決勝では因縁の大商大堺から嬉しい白星をあげ、この時点で近畿大会出場が確定(この年の春は大阪3校)。しかし決勝では、休養十分の藤浪率いる大阪桐蔭相手と流石に厳しかったか。近畿大会では初戦に初優勝の明石商と当たり、2-7と初戦敗退に終わった。

 

2012年 桜宮(ベスト4)

(〇2-1)住吉

(〇18-1)関西大倉

(〇5-3)大阪学芸

(〇2-1)関西創価

(〇10-2)常翔学園

(〇4-3)大体大浪商

(●4-11)大商大堺

(●0-4)履正社

初戦は1点差の辛勝スタート。その後は昨秋敗れた関西創価を破るなど接戦&コールド勝ちを積み重ね、準々決勝で実力校の大体大浪商を破った。3年前の再来も期待されたが、準決勝で大商大堺にコールド負け。3位決定戦で、3年前に勝利を挙げた履正社と組まれたものの完封負けの4位に終わった。しかし、3年前は3回戦で敗れた夏でベスト8まで勝ち進んだのが大きな成長。最も、負けた相手が大体大浪商なのは悔しかったはず。

 

2016年 汎愛(ベスト4)

(〇8-0)清水谷

(〇9-3)鳳

(〇8-3)大阪星光学院

(〇10-4)枚方津田

(〇5-3)都島工

(〇2-0)上宮太子

(●0-7)履正社

(●2-5)関大北陽

夏・秋ベスト8で迎えた春。特に秋はPL学園に勝利&準々決勝で大阪桐蔭に5点差と、実り多き大会が続いていた。春は中盤まで強豪校と当たる事は無かったものの、安定して勝ちを積み重ね夏・秋と同じ立ち位置まで来た。準々決勝で上宮太子を破りその壁を超えたものの、5年前同様にドラ1投手の寺島を擁する履正社に完封負け。3位決定戦でも9回に逆転負けと悔しい試合に。夏も初戦で履正社に春と同スコアで敗れてしまった。

 

【夏(府)】

2001年 桜宮(ベスト4)

(〇10-0)大教大池田

(〇11-1)啓光学園

(〇8-2)大阪学院大高

(〇8-0)鳳

(〇6-5)阪南大高

(〇1-0)東海大仰星

(●0-7)大阪桐蔭

古くは近畿大会準優勝の経験もあり、近年でも大阪No.1の実績を持つ公立の雄。春ではベスト16まで進出したものの大阪桐蔭に5点差で敗れた。夏は中盤まで対戦相手を圧倒した。5回戦/準々決勝と強豪私立が続く中で1点差の辛勝。準決勝で再び大阪桐蔭と組まれたものの、春以上に力の差が出たか完敗。今でこそ大阪は大阪桐蔭/履正社の2強のイメージが強いが、この頃からこの2校は公立校の大きな壁となっていた。

 

2008年 箕面東(ベスト4)

(〇10-0)茨木工科

(〇9-2)汎愛

(〇4-0)金光大阪

(〇3-0)大冠

(●1-2)大阪桐蔭

記念大会の年で大阪2枠(北大阪/南大阪)であったが、対戦相手は公私の実力校続き。汎愛にコールド勝ちし波に乗り、金光大阪/大冠を完封勝ち。特に投手力の良さが際立っていた。その良さを大阪桐蔭との試合でも発揮。延長戦の末にサヨナラ負けに終わったが、この年の選手権を制した高校を慌てさせた試合を展開した。後に箕面東は4年後の夏にも0-2と、この年も選手権を制した大阪桐蔭相手に接戦に持ち込んだ。

 

2008年 羽曳野(ベスト4)

(〇11-0)美原

(〇7-5)富田林

(〇5-3)上宮

(〇10-3)阿倍野

(〇6-5)三国丘

(●6-18)PL学園

目立った戦績を残してきた高校では無いが、羽曳野は南大阪で存在感を見せた。4回戦で上宮/準々決勝で三国丘と公私の実力校を破る力を見せ、準決勝に進出。しかし、やはり南大阪の壁といえばPL学園。投打で大きな差を見せられたが、6点を取り意地を見せた。この大会をきっかけに、翌年の春は履正社に1点差/夏はPL学園に3点差に迫る成長ぶりを見せた。2010年が学校最後の大会になってしまったのが惜しまれる。

 

2015年 大冠(ベスト4)

(〇11-1)枚方なぎさ

(〇11-0)池田

(〇5-2)香里丘

(〇8-2)八尾翠翔

(〇3-1)門真なみはや

(〇5-1)汎愛

(●0-11)大阪偕星学園

春の大会で同じく公立実力校である大塚に敗れ、悔しい初戦敗退を経て挑んだ夏。組み合わせも良く、なんと準決勝まで対戦相手はオール公立。準々決勝では大塚同様に実力校である汎愛を下し、春からの成長を感じさせた。しかし、準決勝で大阪偕星学園に完敗。ベスト4の時点で大阪桐蔭/履正社の名前が無かっただけに、大冠には大きな期待が寄せられたがその期待は2年後に受け継がれていく事となった。

 

2016年 桜宮(ベスト4)

(〇3-2)摂津

(〇6-3)大冠

(〇11-10)枚方なぎさ

(〇6-3)かわち野

(〇7-4)太成学院大高

(〇7-0)交野

(●1-11)履正社

初戦を何とか1点差で逃げ切ると、2回戦で大冠との強豪公立対決を制した。5回戦までコールド勝ち無しと桜宮にしては珍しい勝ち上がりを見せたが、対戦相手にもやや恵まれた事もあり準決勝までコマを進めた。しかし、やはり履正社の壁は厚くコールド負け。この年の履正社は、決勝も12-0の完勝/大会計3失点と完璧なチームだっただけに厳しかったか。その後、履正社とは3年後の準々決勝で当たり0-2と惜敗している。

 

2017年 大冠(準優勝)

(〇10-0)桜塚

(〇13-1)緑風冠

(〇8-4)東海大仰星

(〇8-2)北野

(〇3-2)大阪偕星学園

(〇10-0)春日丘

(〇3-1)上宮

(●8-10)大阪桐蔭

21世紀の中で最も甲子園に近づいた大会である。序盤から桜塚・東海大仰星と実力校が続いたが強力打線が機能。4回戦では秋に土を付けられた北野に、5回戦では2年前の準決勝で土を付けられた大阪偕星学園にリベンジ。準決勝で上宮を下して19年ぶりの公立校の夏決勝進出を果たすと、決勝は春の選抜を制した大阪桐蔭。この試合でも強力打線で何度も食らいついたが、投手の消耗が最後に差となり惜しくも敗れた。

 

【秋(府)】

2008年 桜宮(ベスト4)

(〇10-0)大正

(〇17-0)岸和田

(〇7-0)大商学園

(〇2-0)関西創価

(〇8-0)上宮

(●0-9)金光大阪

(●3-5)大阪桐蔭

今年の山田が近畿大会への出場を決めたが、秋に公立校がベスト4にコマを進めたのは、2000年以降では山田とこの年の桜宮だけ。準々決勝までの勝ち上がりは桜宮の方が良く、驚異の5試合連続完封勝利。特に実力校である上宮へのコールド勝ちがチームの充実度を物語っていた。しかし、準決勝で金光大阪に逆にコールド負け。3位決定戦でも大阪桐蔭に競り合ったものの逆転負けと、惜しくも近畿大会進出を逃した。

 

2020年 山田(ベスト4)

(〇7-5)桃山学院

(〇不戦)清教学園

(〇4-2)浪速

(〇7-4)上宮

(〇5-4)大産大附

(●1-11)東海大仰星

(〇2-1)履正社

多くの人に驚きを呼ぶ旋風を見せた。大阪桐蔭/履正社とは別ブロックとはいえ、1回戦から3位決定戦まで対戦相手はオール私立。それでも、ブロック本命の上宮/大産大附などの実力校を接戦で制した。逆山の準決勝が大阪桐蔭vs履正社だった事もあり、東海大仰星にコールド負けを喫すと誰もが厳しいと見られた3位決定戦。しかし、履正社に最終回まで1失点と粘り逆転。26年ぶりに公立校が近畿大会出場を勝ち取った。

【大阪】山田/桜宮/大冠/汎愛…公立校の躍進をまとめる【前編】

こんにちは。

山田の近畿大会進出で大阪の公立校にもう一度スポットライトと当てたいと思い、今日は21世紀の大阪の公立校の躍進を紹介していきたいと思います。

 

※左が大会の最高戦績校(公立)

※右が最後に対戦した相手校

★…21世紀枠府推薦校

赤…優勝(●は準優勝)

青…ベスト4(〇は3位)

緑…ベスト8

紫…ベスト16

 

【春(府)】

※1995年 市岡(〇5-4)大阪桐蔭

2001年 八尾(●0-7)上宮太子

2002年 桜塚(●0-11)大阪桐蔭

2003年 春日丘(●2-3)北陽

2003年 都島工(●5-11)金光大阪

2003年 汎愛(●3-5)上宮太子

2004年 桜塚(●2-5)関大一

2005年 桜宮(●2-4)大体大浪商

2005年 港(●5-16)近大附

2005年 信太(●0-7)大阪桐蔭

2005年 北淀(●4-5)上宮太子

2006年 汎愛(●4-6)大商大堺

2006年 箕面東(●0-1)大阪

2006年 桜宮(●3-4)履正社

2006年 枚方津田(●6-7)関大一

2006年 大塚(●1-9)大商大高

2007年 香里丘(●0-3)大体大浪商

2007年 大冠(●2-9)上宮太子

2007年 豊島(●0-7)大阪桐蔭

2007年 桜宮(●3-4)近大附

2007年 枚方津田(●1-4)太成学院大高

2007年 門真なみはや(●3-13)関大一

2007年 東淀工(●0-3)PL学園

2008年 豊島(●1-2)東大阪大柏原

2008年 東淀工(●1-3)関大北陽

2008年 東豊中(●6-8)履正社

2008年 港(●0-10)大阪桐蔭

2008年 鳳(●0-7)東海大仰星

2009年 桜宮(●2-8)PL学園

2010年 交野(●0-4)金光大阪

2011年 汎愛(●1-8)大阪桐蔭

2012年 桜宮(●0-4)履正社

2013年 岸和田産(●3-5)履正社

2014年 大冠(〇8-7)PL学園

2015年 大塚(●0-7)履正社

2015年 四条畷(●2-5)上宮太子

2016年 汎愛(●2-5)関大北陽

2017年 寝屋川(●0-4)上宮

2017年 東住吉(●0-8)関西創価

2017年 槻の木(●3-10)大阪学芸

2018年 吹田(●2-3)大体大浪商

2018年 寝屋川(●4-5)大阪桐蔭

2019年 鳳(●0-12)大体大浪商

2020年 中止

 

【夏(府)】

※1990年 渋谷(〇6-4)上宮

2001年 桜宮(●0-7)大阪桐蔭

2002年 久米田(●5-7)上宮太子

2003年 布施(●1-11)北陽

2004年 交野(●2-4)大商大堺

2004年 枚方津田(●1-11)関大一

2004年 堺西(●0-1)北陽

2005年 汎愛(●0-10)大阪桐蔭

2005年 八尾(●6-13)大体大浪商

2006年 和泉(●0-3)金光大阪

2007年 旭(●2-3)浪速

2008年 箕面東(●1-2)大阪桐蔭

2008年 羽曳野(●6-18)PL学園

2009年 茨木(●1-8)大阪桐蔭

2009年 枚方津田(●6-7)大商大堺

2009年 生野工(●1-12)PL学園

2010年 交野(●3-10)履正社

2010年 箕面東(●1-9)金光大阪

2010年 桜塚(●5-7)近大附

2010年 桜宮(●0-1)大体大浪商

2011年 箕面東(●1-3)大産大附

2011年 和泉(●0-7)東海大仰星

2011年 桜宮(●4-10)PL学園

2012年 桜宮(●1-6)大体大浪商

2012年 城東工(●1-4)近大附

2013年 桜宮(●0-1)東大阪大柏原

2014年 枚方津田(●1-7)履正社

2015年 大冠(●0-11)大阪偕星学園

2016年 桜宮(●1-11)履正社

2017年 大冠(●8-10)大阪桐蔭

2018年 寝屋川(●3-6)履正社

2018年 香里丘(●3-5)大阪学院大高

2018年 大冠(●5-10)東海大仰星

2018年 八尾(●3-10)上宮太子

2018年 三国丘(●3-11)近大附

2019年 桜宮(●0-2)履正社

2020年 信太(●2-11)履正社

2020年 香里丘(●1-15)大阪桐蔭

 

【秋(府)】

※1986年 市岡(〇6-1)大商大堺

2001年 ★汎愛(●7-8)大体大浪商

2002年 大冠(●0-8)大産大附

2003年 八尾(●4-11)PL学園

2004年 刀根山(●1-11)大商大堺

2005年 桜宮(●2-7)柏原

2005年 箕面東(●0-7)大阪桐蔭

2005年 ★布施(●2-4)履正社

2006年 寝屋川(●1-11)大阪桐蔭

2006年 桜宮(●5-7)関大北陽

2007年 大冠(●0-3)東海大仰星

2008年 ★桜宮(●3-5)大阪桐蔭

2009年 汎愛(●3-10)大阪桐蔭

2009年 箕面東(●0-1)東海大仰星

2009年 ★交野(●0-1)金光大阪

2010年 生野工(●1-7)大商大堺

2010年 春日丘(●1-5)初芝立命館

2010年 大塚(●0-5)太成学院大高

2011年 桜塚(●0-7)大体大浪商

2012年 ★堺東(●3-6)大商大堺

2013年 ★豊島(●0-3)初芝立命館

2013年 富田林(●3-12)大商大堺

2013年 東(●1-3)大阪学院大高

2014年 ★大塚(●2-3)大産大附

2015年 桜塚(●0-7)阪南大高

2015年 汎愛(●1-6)大阪桐蔭

2016年 池田(●3-6)初芝立命館

2016年 ★今宮(●0-10)上宮太子

2016年 北野(●0-7)大阪桐蔭

2017年 ★池田(●2-3)興国

2017年 大塚(●0-13)大阪桐蔭

2018年 港(●0-13)大商大堺

2019年 桜宮(●14-15)金光大阪

2020年 ★山田(〇2-1)履正社